竣工図とは・施工図との違いや保存義務と管理方法を徹底解説
この記事のポイント
竣工図とは工事完了時点の建物の実際の状態を、施工中の変更も反映して記録した図面です。設計図や施工図とは作成時期と目的が異なります。建設業法施行規則により完成図として引渡しから10年間の保存義務があり、電子化や施工管理ツールで紛失防止と検索性を高められます。
「竣工図とはどんな図面なのだろう。設計図や施工図と何が違い、作成や保存に義務はあるのか知っておきたい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
本記事の内容
- 竣工図の定義と作成する目的
- 設計図・施工図・完成図との違い
- 保存義務や保存期間と効率的な管理方法
竣工図とは、工事が完了した時点の建物の実際の状態を正確に記録した図面のことです。
違いや保存義務を押さえれば、引渡し後の維持管理や改修にも役立てられます。まずは竣工図の基本から確認していきましょう。
竣工図とは
竣工図とは、工事が完了した時点における建物の実際の状態を正確に表した図面のことです。読み方は「しゅんこうず」で、建築・土木の現場で完成記録として欠かせない存在になっています。(図面アプリ)
設計図どおりに進む工事はほとんどなく、施工の途中では配管ルートの変更や仕上げ材の差し替えといった調整が日常的に発生します。竣工図はそうした変更をすべて反映し、出来上がった建物の最終的な姿を図面群として残すものです。
設計の意図を示した設計図、現場での作業手順を示した施工図に対して、竣工図は実際にこう完成したという「実績」を示す点に特徴があります。三者の関係は、次のように整理できます。
- 設計図:計画段階に作成し、完成させたい建物の仕様や構造を示す図面
- 施工図:着工前に作成し、現場での施工方法や納まりの詳細を示す図面
- 竣工図:工事完了後に作成し、実際に完成した建物の状態を示す図面
竣工図は建設業法施行規則によって10年間の保存が義務づけられており、施工会社にとって法令上の管理対象でもあります。中堅以下のゼネコンや専門工事業にとって、竣工図の作成と保管は受注後の品質保証や引き渡し後の対応に直結する実務です。
竣工図の定義
竣工図の定義は、設計変更や施工途中の変更内容をすべて反映し、竣工した建物を正確に表現した図面というものです。設計図をそのまま製本したものではなく、現場で実際に施工された寸法・位置・仕様へと修正を加えた点が定義の核心になります。
竣工図には建築・構造・電気設備・給排水衛生設備・空調設備など複数の分野が含まれ、これらをまとめて完成図書として整理する場合が一般的です。設備の種類ごとに図面が分かれるため、利用者は目的に応じて必要な竣工図を参照できます。
専門工事ごとに担当範囲が分かれている点も、竣工図の実務上の利点といえます。中堅以下のゼネコンや専門工事業では、各社が手がけた範囲を竣工図として残すことで責任の所在が明確になります。
竣工の意味
竣工とは、建築工事や土木工事が完了することを意味する建築用語です。一般には工事が終わって完了検査を受けた日を「竣工日」と呼び、単なる作業の終了ではなく、検査や引き渡しまでを含んだ状態を指す言葉として使われます。(施工図)
「完成」とほぼ同義ながら、完成には明確な定義がなく建物以外にも幅広く用いられるのに対し、竣工は建築・土木の文脈で使う点に違いがあります。土木工事全般を広く指す場合は「完工(かんこう)」、神社仏閣の建立や大規模事業の完了報告では「竣功」という表記が使われることもあります。
竣工という言葉の意味を押さえておくと、竣工図がどの時点の状態を記録した図面なのかを正しく理解できます。
竣工図を作成する目的
竣工図を作成する目的は、完成後の建物を長期にわたって正しく扱うための記録を残すことにあります。建物は引き渡しで終わりではなく、点検・修繕・改修・取引と長い時間をかけて使われていくため、現状を正確に示す図面が繰り返し必要になります。(施工図の書き方の基礎)
主な目的は次のとおりです。
- 維持管理:配管や電気設備の配置を正確に確認でき、点検や修繕を効率的に進められます
- 改修・増改築:将来のリフォームや用途変更の際に、建物の現状を示す基礎資料になります
- 資産管理:売却や賃貸の場面で、建物の状態を裏づける資料として活用できます
- 法的手続き:建築確認や登記といった申請・検査の対応で参照されます
これらの目的を満たすため、竣工図は完成時の状態を漏れなく反映している必要があります。記録が不正確だと後年の改修で予期せぬ手戻りが生じるため、正確な竣工図の作成は建物のライフサイクル全体を支える土台になります。
竣工図と他の図面との違い
建設プロジェクトでは設計図、施工図、竣工図、完成図といった図面が登場し、それぞれ作成される時期と役割が異なります。竣工図とは工事完了後に実際の建物の状態を反映して作成する図面のことで、計画段階の図面や施工途中で使う図面とは性質が大きく違うため、混同すると修繕や改修の場面で正確な情報を引き出せなくなります。
竣工図を正しく理解する近道は、図面を「計画」と「実績」という軸で並べてみることにあります。設計図と施工図はどちらも工事を進める前や進めている最中に作る計画の図面であるのに対し、竣工図は工事が終わった後に実際の出来上がりを記録する実績の図面という位置づけになります。
主要な4つの図面の違いを下表に整理しました。
| 図面の種類 | 作成時期 | 主な作成者 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 設計図 | 計画段階 | 建築士 | 完成すべき建物の姿を示す |
| 施工図 | 工事開始前から工事中 | 施工者(施工業者・職人) | 施工に必要な詳細寸法や手順を示す |
| 竣工図 | 工事完了後 | 元請施工会社・建築士 | 完成した実際の状態を記録する |
| 完成図 | 工事完了後 | 元請施工会社 | 竣工図とほぼ同義(公共工事で使う行政用語) |
このように同じ建物を扱う図面でも、目的が「計画の共有」か「施工の指示」か「実績の記録」かで内容も精度も変わってきます。次に、竣工図がそれぞれの図面とどう違うのかを順番に見ていきます。
設計図との違い
設計図と竣工図の最大の違いは、設計図が「これから建てる建物の理想の姿」を描くのに対し、竣工図は「実際に建った建物の姿」を描く点にあります。設計図は計画段階で建築士が施主の意向を反映しながら作成し、間取りや構造、内装、外装、設備などの情報をまとめた、工事の出発点となる図面です。(図面管理)
竣工図が設計図と別に必要になる理由は、工事の過程で設計変更や現場調整が生じるためです。施工中に仕様が変わると設計図と最終的な建物が一致しなくなるので、その差異を埋めて完成形を正確に記録するのが竣工図の役割になります。
つまり設計図は工事前の「予定図」、竣工図は工事後の「結果図」と言い換えられます。建物が完成した後の管理では設計図ではなく竣工図を参照することで、実態に即した判断ができるようになります。
施工図との違い
施工図と竣工図は作成の目的が異なります。施工図とは設計図をもとに、実際の工事を進めるための詳細な寸法や部材の配置、施工手順を落とし込んだ図面のことで、現場の職人が物を作るための指示書として機能します。(図面管理システム)
両者は作成する時期も対照的です。施工図は工事を始める前から工事中にかけて施工者が作成する「これからどう作るか」の図面であるのに対し、竣工図は工事完了後に「実際にどう作られたか」をまとめる図面になります。
施工図が工事の進行という現在進行形の目的を担うのに対し、竣工図は完成後の管理や保守のための記録資料として残ります。施工途中の調整内容を竣工図に反映させることで、後から建物の正確な構成を把握できる点が、施工図との大きな違いです。
完成図との違い
竣工図と完成図は、どちらも工事完了後の建物や施設の状態を記録する図面であり、基本的には同じ意味で使われます。両者は明確に区別される別物というより、使われる場面によって呼び名が変わる関係だと理解しておくと混乱しません。(工事写真管理)
使い分けの目安として、竣工図はビルや住宅など民間の単一の建築物で用いられることが多い言葉で、完成図は道路や公園といった範囲の広い公物を対象とする公共工事でよく使われる行政用語です。公共工事の完成時には、完成図に加えて保全に関する資料や竣工写真をあわせて提出するのが一般的です。
したがって竣工図と完成図の違いを問われた場合は、対象が民間建築か公共工事かという文脈の差として捉えるのが実務的です。記録される情報の本質は同じであり、どちらも完成した実態を正確に残すための図面という点で共通しています。
竣工図に含まれる図面と作成の流れ
竣工図とは、工事完了時点の建物の状態を正確に反映した図面の総称です。施工中に生じた設計変更や現場調整をすべて反映するため、複数の専門分野の図面が一式として束ねられます。
竣工図がカバーする範囲を理解しておくと、引渡し後の維持管理や改修工事でどの図面を参照すべきか判断しやすくなります。竣工図は単独で完結する図面ではなく、施工図を起点に作成され、竣工検査を経て他の書類とともに引き渡される一連の流れの中に位置づけられます。
ここでは含まれる図面の種類、検査から引渡しまでの工程、あわせて必要になる書類を順に整理します。たとえば設計図どおりに施工できず現場で寸法を調整した場合、その実際の状態に直した図面が竣工図になるという関係を押さえると、全体像がつかみやすくなります。
竣工図に含まれる主な図面
竣工図に含まれる図面は、表す対象によって意匠図・構造図・設備図などの種類に分かれます。これらが「竣工図一式」として建築会社から施主へ渡されるのが一般的です。(工事写真に黒板を後付けできるアプリ)
意匠図は建物のデザインや間取り、仕上げなどの情報を伝える図面で、平面図や立面図、各種詳細図が含まれます。構造図は柱や梁、壁といった建物を支える構造部材の情報を示し、設備図は電気配線や給排水、空調など設備の仕様や配管経路を表します。
| 図面の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 意匠図 | 平面図、立面図、間取り、仕上げ、デザイン |
| 構造図 | 柱・梁・壁などの構造部材の配置や仕様 |
| 設備図 | 電気配線図、給排水・衛生、空調などの設備情報 |
竣工図の書き方は、施工図をベースに現場で生じた変更点を反映していく方法が基本になります。手書きで修正する場合もありますが、近年はCADソフトで施工図を更新し、実際の出来上がりと一致させてから竣工図として確定させる進め方が広く使われています。
竣工検査から引渡しまでの流れ
竣工図は、工事完了後の一連の検査を経て引き渡されます。検査で確認された手直し箇所を反映してこそ、図面が実際の建物と一致するためです。(土木における工事写真の撮り方)
一般的な流れは次のとおりです。
- 自主検査(社内検査)で施工会社が品質や仕上がりを自らチェックする
- 完了検査で建築主事または指定確認検査機関が建築基準法への適合を確認する
- 竣工検査(施主検査)で施主が立ち会い、不具合や仕上がりを確認する
- 指摘箇所の手直しを行い、内容を竣工図へ反映する
- 引渡しで鍵や竣工図書を施主へ正式に引き渡す
竣工検査は施主が直接立ち会う重要な工程で、引渡しや代金決済の2週間以上前に設定すると手直しの時間を確保しやすくなります。検査後はチェック内容を報告書にまとめ、補修指示と修正を経て最終的な竣工図が確定します。
竣工図とあわせて必要な書類
引渡し時には、竣工図だけでなく建物の維持管理に必要な書類が一式で渡されます。これらをまとめて完成図書(竣工図書)と呼びます。(建設業の日報)
完成図書には竣工図に加えて、施工中の状況を記録した竣工写真(工事写真)、設備機器の取扱説明書、メーカー保証書などが含まれます。取扱説明書は施設管理者が機器を正しく扱えるように整えられ、保証書は機器の不具合に備えた重要な書類になります。
| 書類 | 役割 |
|---|---|
| 竣工図一式 | 完成時点の建物を正確に示す図面 |
| 竣工写真(工事写真) | 施工過程や隠蔽部分の記録 |
| 取扱説明書 | 設備機器の操作・保守方法の説明 |
| 保証書 | 設備機器の不具合に対する保証 |
なお竣工図は2008年の建設業法施行規則の改正により、完成図として10年間の保存が義務付けられています。引渡し後の改修や維持管理を見据え、竣工図書はファイルにまとめて確実に保管しておくことが望まれます。
竣工図の保存義務と保存期間
竣工図には、建設業法にもとづく明確な保存義務があります。平成20年(2008年)11月に施行された建設業法の一部改正で、元請の建設業者は「営業に関する図書」のひとつとして竣工図(完成図)を一定期間保存することが新たに義務づけられました。
義務の有無や年数を正しく押さえておかないと、引渡し後の改修やトラブル対応で必要な図面が手元になく、対応が後手に回ってしまいます。なお竣工図とは、実際に施工した内容を反映した最終的な図面を指し、設計段階の図面とは区別される点に注意が必要です。
ここでは法的な根拠と保存期間、そして万が一竣工図がない場合の現実的な対処法を整理します。
建設業法で定められた保存義務
竣工図の保存義務の直接の根拠は、建設業法第40条の3と、これを受けた建設業法施行規則にあります。同法第40条の3は帳簿の備付けと保存を定めた条文で、ここから派生する形で「営業に関する図書」の保存が施行規則で具体化されています。(施工計画書とは何か)
義務を負うのは発注者から直接工事を請け負った元請業者で、営業所ごとに対象図書を保存する必要があります。
施行規則のうち、記載・保存の対象を定めるのが第26条、保存期間を定めるのが第28条です。保存すべき「営業に関する図書」は以下の3種類に整理できます。
| 対象図書 | 内容と条件 |
|---|---|
| 完成図(竣工図) | 施工上の必要に応じて作成、または発注者から受領した図面 |
| 発注者との打合せ記録 | 工事内容に関するもので、相互に交付したものに限る |
| 施工体系図 | 一定額以上の下請契約を結んだ特定建設業者の元請工事のみ対象 |
竣工図はこの筆頭に位置づけられており、義務の対象として法令上もっとも明確な図書のひとつです。保存は紙だけでなく、電磁的記録(PDFなどのデジタルデータ)での保管も認められています。
保存期間の考え方
保存期間で迷いやすいのが、帳簿と図書で年数が異なる点です。帳簿の保存期間が原則5年であるのに対し、竣工図を含む「営業に関する図書」は10年と長く設定されています。(施工計画書の安全管理)
年数の数え方も重要で、契約日や完成日ではなく、工事の目的物を発注者に引き渡した日が起算日になります。
主な書類の保存期間を整理すると、次のとおりです。
- 帳簿: 引渡しから5年間(新築住宅に係るものは10年間)
- 営業に関する図書(竣工図・打合せ記録・施工体系図): 引渡しから10年間
竣工図の10年という年数は、瑕疵(かし、施工や材料の欠陥)が引渡し後に判明した際の責任追及や原因調査を念頭に置いたものと考えられます。法定の10年はあくまで最低ラインであり、建物の供用期間は数十年に及ぶため、実務上は引渡し後も期限を区切らず保管し続ける運用が安全です。
電子データで保存しておけば保管スペースの負担も小さく、長期保存と相性が良いといえます。
竣工図がない場合の対応
竣工図 ない、という状況は実際の現場で珍しくありません。古い建物で当初から作成されていなかった、保存期間中に紛失した、増改築を重ねて現況と図面が一致しなくなった、といったケースが代表的です。
改修や用途変更、売買、耐震診断などの場面では現況を示す図面が前提となるため、竣工図がないと計画自体が進みにくくなります。
竣工図がない場合の現実的な対応は、次のとおりです。
- 設計者・施工者・発注者・管理会社など、関係先に図面の控えが残っていないか照会する
- 建築確認申請の副本や確認済証など、行政・関係機関に残る書類から情報を補う
- 残らない場合は現地調査を行い、寸法や構造を実測して図面を復元する
復元図面は、設計図ではなく建物の現況を反映した図面になる点に留意が必要です。近年は3Dスキャナーで点群データ(多数の3次元座標の集合)を取得し、立ち入りにくい箇所の寸法計測や現況の精密な記録に活用する手法も広がっています。
竣工図 義務の年数を満たしていても、実物との食い違いがあれば再調査が必要になります。引渡し時に正確な竣工図を整え、変更が生じるたびに更新する体制づくりが、結局はもっとも確実です。
竣工図の作成と管理を効率化する方法
竣工図とは、建物が完成した時点の実際の状態を正確に記録した図面のことで、将来のメンテナンスやリフォームの基礎資料になります。そのため、作成のしやすさと完成後の管理しやすさの両面を整えることが効率化の出発点になります。
竣工図の効率化は、紙のまま運用する従来型から、電子化と施工管理ツールによる一元管理へと移すことで大きく前進します。とくに竣工図がない、あるいは見つからないという事態を防ぐには、保管方法そのものを見直すことが近道です。
作成段階では、設計図面や施工図の電子データを下敷きにして、現場で生じた変更点を反映していく書き方が一般的になっています。手書きで起こすよりも修正の手戻りが少なく、最新版の管理もしやすくなります。
以下では、紙管理の課題、電子化のメリット、施工管理ツールの活用という三つの観点から、竣工図を効率的に扱う具体策を整理します。自社の運用に近い部分から取り入れると、無理なく移行を進められます。
紙の竣工図管理が抱える課題
紙で竣工図を管理する方式は長く使われてきましたが、保管と検索の両面で負担が大きくなりやすい弱点を抱えています。まずは課題を見える化することが、改善の第一歩になります。
紙の竣工図は経年で劣化しやすく、湿気や日焼け、火災などの影響も受けます。万一紛失すると再スキャンや再製図が必要になり、業務のやり直しや工程の遅れにつながりかねません。
検索性の低さも見過ごせない問題です。必要な一枚を探すには書庫やキャビネットを開けて確認する手間がかかり、竣工図がないと感じる場面の多くは、実際には所在不明や探索の困難さに起因します。
紙特有の課題を整理すると、次のとおりです。
| 課題 | 具体的な影響 |
|---|---|
| 紛失・劣化 | 再製図の発生、メンテナンス時の参照不能 |
| 検索性の低さ | 一枚を探す時間の増大、現場での待ち時間 |
| 保管スペース | A1サイズなどがかさばり、置き場と管理工数が必要 |
| 共有の手間 | 複製・配布のたびに印刷費や輸送費が発生 |
電子化によるメリット
竣工図を電子化すると、紙が抱える保管と検索の課題をまとめて軽減できます。PDFやCADデータとして残すことで、置き場の削減と紛失リスクの低減を同時に進められます。
電子化の利点は検索性の向上にも及びます。フォルダ分けや属性情報を使って分類すれば、目的の図面をすぐ呼び出せるようになります。
なお属性情報とは、工事名や図面種別などの検索用ラベルのことで、これを付けておくと現場での確認待ちが減ります。
共有のしやすさも大きなメリットです。電子化した竣工図はメールや共有フォルダで即時に渡せるため、旧版を誤って使うといった版管理のトラブルを防ぎやすくなります。
主なメリットは次のとおりです。
- 保管スペースと印刷コストを削減できる
- 紛失や劣化のリスクを下げられる
- 検索が速くなり、現場の待ち時間が減る
- 最新版を関係者へ即時に共有できる
- アクセス制限でセキュリティと機密保持を確保できる
施工管理ツールを活用した管理
電子化をさらに前進させる手段が、施工管理ツールやアプリの活用です。竣工図を写真や工程表とまとめて一元管理でき、現場と事務所の情報を一つの場所に集約できます。
クラウド型の施工管理アプリを使えば、スマートフォンやタブレットから最新の竣工図を確認できます。外出先や現場でその場に図面を呼び出せるため、紙を持ち歩く負担や、竣工図がない状態での作業を避けられます。
国内ではANDPADやKANNA、Photoructionといったツールが普及しており、図面や写真を一元管理してリアルタイムに共有する仕組みを備えています。導入時は、自社の工事規模や既存データの形式に合うかを確認するとよいでしょう。
ツール活用で得られる主な効果は次のとおりです。
- 竣工図と関連資料を一元管理し、所在不明を防ぐ
- バージョン管理で旧版の混在を抑える
- 現場からのリアルタイム共有で確認を迅速にする
- 検索機能で必要な竣工図にすぐ到達できる
まとめ:竣工図は完成後の建物を支える重要な図面
竣工図とは、工事中の変更も反映した、完成時点の建物の状態を表す図面です。本記事では、竣工図の定義や他の図面との違い、保存義務、効率的な管理方法を解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 竣工図は完成した建物の実際の状態を記録した図面
- 完成図にあたる竣工図は建設業法で10年間の保存義務がある
- 電子化や施工管理ツールで紛失防止と検索性を高められる
竣工図を正しく作成し管理すれば、引渡し後の維持管理や改修、資産価値の維持にもつながります。竣工図を含む図面管理の効率化を検討している方は、現場のDXもあわせてご検討ください。
竣工図に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
Construction DX 編集部は、建設DX・建設テック・業界動向に関するニュースや解説記事を制作する編集チームです。最新の技術・市場・制度・導入事例をわかりやすく整理し、建設業界のDX推進に役立つ情報を中立的な視点で発信しています。
監修者
リサーチチーム
Construction DX リサーチチームは、建設DX市場や最新技術、法制度、国内外の事例を継続的に調査・分析する専門チームです。公開情報や一次情報をもとに内容を検証し、正確性・信頼性の高いコンテンツ制作を支援しています。
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