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施工計画書テンプレートの入手先と選び方・記載項目を一挙解説

施工管理・現場DX公開日:最終更新日:

この記事のポイント

施工計画書の記載事項は発注者の仕様書が定めており、国土交通省の土木工事共通仕様書(案)令和8年3月は16項目を求めています。建築向けは日本建設業連合会関西支部や北陸地方整備局営繕部が公開しており、提出先の様式と仕様書の版に合うものを選びます。

施工計画書テンプレートの入手先と選び方・記載項目を一挙解説

「施工計画書をゼロから作るのは大変なので、エクセルやワードで使える無料のテンプレートを手に入れたいのですが、どこで入手でき、どれを選べばよいのかがわかりません。」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 施工計画書テンプレートの入手先と選び方
  • テンプレートに含まれる記載項目と形式
  • テンプレートを活用するときの注意点

施工計画書テンプレートは、日本建設業連合会や行政機関などの信頼できる配布元から無料で入手できます。

工事内容に合わせて修正すれば、作成の手間を抑えながら提出に通る品質を確保できます。最適なテンプレートの選び方を見ていきましょう。

施工計画書テンプレートの入手先と選び方

施工計画書のテンプレートは、業界団体や公的機関が無料で公開しています。ただし、公共工事の施工計画書は、発注者の仕様書が記載事項を定めています。テンプレートは、提出先の仕様書と様式に合うものを選ぶことが前提です。

ここでは、無料で入手できる主な配布元と、選ぶときの確認点を整理します。

無料でダウンロードできる主な配布元

無料で入手できる主な配布元は次のとおりです(2026年10月確認)。土木向けか建築向けか、もとにした仕様書の版はどれかが、配布元によって異なります。

配布元形式特徴
一般社団法人日本建設業連合会 関西支部Excel建築工事向けの施工計画書ひな形集(改訂版)。総合施工計画書と工種別の計画書を収録。公共建築工事標準仕様書(平成31年版)に準じて改訂されたもの
国土交通省 北陸地方整備局 営繕部Word営繕工事向けの記載例。総合施工計画書、工事安全計画書、工種別の施工計画書(塗装工事・屋内配線工事・配管工事)
発注者(都道府県・市町村など)Excel・Wordなどその発注者の工事で使う様式集。たとえば岐阜県の工事関係様式集は、施工計画書の様式をExcelで公開している

日本建設業連合会 関西支部のひな形集は、もとにした仕様書が平成31年版です。公共建築工事標準仕様書の最新は令和7年版なので、使うときは最新の仕様書と特記仕様書で内容を確認してください。

公的機関が公開するテンプレート

公的機関が公開しているのは、主にその機関が発注する工事で使う様式と記載例です。提出先が決まっている場合は、まず提出先の発注者が公開している資料を確認します。施工計画書の役割と位置づけは施工計画書とは何かで解説しています。

  • 国土交通省の土木工事共通仕様書:施工計画書の記載事項と提出時期を定めている(様式は定めていない)
  • 地方整備局の営繕部:北陸地方整備局は、営繕工事の総合施工計画書と工種別の施工計画書の記載例をWordで公開している
  • 都道府県:岐阜県は工事関係様式集で施工計画書の様式をExcelで公開している。神奈川県は、工事書類の作成様式と注意事項をまとめた土木工事書類作成マニュアル及び様式集を公開している

様式の扱いは発注者によって異なります。公開されている様式をそのまま使うのか、記載事項を満たせば自社の書式でよいのかは、特記仕様書と監督職員への確認で判断します。

テンプレートを選ぶときの確認点

テンプレートは、見た目より、中身が提出先の要求に合っているかで選びます。出所がわからないファイルは、記載項目が古い仕様書のままだったり、不要なマクロが入っていたりするおそれがあるため、配布元と、もとにした仕様書の版を確認してください。

  • 提出先の発注者が様式を定めていないか(定めていれば、その様式を使う)
  • 契約で適用される仕様書の記載事項を満たしているか
  • 土木向けか建築向けか、自社の工種に合っているか
  • もとにした仕様書の版が古くないか
  • Excelなどで編集でき、不要な項目を削れるか

これらを満たすテンプレートを選べば、テンプレートを土台にしながら、工事の内容に合わせて無理なく調整できます。

施工計画書テンプレートに含まれる記載項目

土木工事の施工計画書に書く項目は、発注者の共通仕様書が定めています。国土交通省の土木工事共通仕様書(案)(令和8年3月)は、第1編1-1-1-6で次の16項目の記載を求めています。監督職員がその他の項目について補足を求めた場合は、追記します。

番号記載事項
1工事概要
2計画工程表
3現場組織表
4指定機械
5主要船舶・機械
6主要資材
7施工方法(主要機械、仮設備計画、工事用地等を含む)
8施工管理計画
9安全管理
10緊急時の体制及び対応
11交通管理
12環境対策
13現場作業環境の整備
14再生資源の利用の促進と建設副産物の適正処理方法
15法定休日・所定休日(週休二日の導入)
16その他

同条は、提出時期と変更時の扱いも定めています。

  • 提出時期:工事着手前、または施工方法が確定した時期に、監督職員へ提出する
  • 変更:内容に重要な変更が生じた場合は、その都度、当該工事に着手する前に変更施工計画書を提出する(工期や数量等の軽微な変更は除く)
  • 一部省略:維持工事等簡易な工事では、監督職員の承諾を得て、記載内容の一部を省略できる

共通仕様書が定めているのは記載事項で、様式は定めていません。発注者(地方整備局・自治体)の仕様書・様式・作成の手引きがある場合は、そちらが優先します。記載事項は仕様書の版や発注者によって異なることがあるため、契約図書で適用される版を確認してください。

以下では、主な項目に書く内容を説明します。各項目の詳しい書き方は施工計画書の作り方で解説しています。

工事概要と計画工程表

工事概要と計画工程表は、施工計画書の最初に置く項目です。工事概要には、工事名、工事場所、工期、請負代金額、発注者、受注者、工事内容と、主な工種・数量を書きます。契約書・設計図書と同じ表記にすることが基本です。

項目書く内容
工事概要工事名、工事場所、工期、請負代金額、発注者、受注者、工事内容、主な工種と数量
計画工程表工種ごとの作業内容、開始予定、完了予定、工程管理の方法

バーチャート(横棒で各工種の期間を示す図)やネットワーク工程表などの工程表そのものは、発注者の様式があればその様式で作り、別紙で添付します。

現場組織表と施工体系図

現場組織表には、現場での組織の編成、命令系統、業務分担を書きます。現場代理人、主任技術者(監理技術者)、各管理の担当者の氏名と資格は、発注者へ出す現場代理人等の通知や施工体制台帳と同じ内容にします。

施工体系図は、現場組織表とは別の書類です。

  • 現場組織表:現場での組織の編成、命令系統、各担当者の業務分担を示す。施工計画書の記載事項のひとつ
  • 施工体系図:元請と各下請の請負関係を示す図。建設業法にもとづき、施工体制台帳の作成が必要な工事で作成する

安全管理と品質管理の項目

共通仕様書の記載事項では、品質と出来形の管理は「施工管理計画」に、安全は「安全管理」と「緊急時の体制及び対応」に書きます。

項目書く内容
施工管理計画工程管理、品質管理(試験項目・方法・規格値・頻度)、出来形管理、写真管理、段階確認
安全管理安全管理の体制、日常の安全活動、安全教育・訓練の計画、主な危険と対策
緊急時の体制及び対応緊急連絡先、事故・災害が起きたときの対応
環境対策騒音・振動、粉じん、水質汚濁などへの対策

安全管理では、工事の内容に応じた安全教育及び安全訓練等の具体的な計画を施工計画書に記載するよう、共通仕様書が求めています(1-1-1-31)。安全に関する研修・訓練等は、作業員全員の参加により、月当たり半日以上の時間を割り当てて行うものとされています。書き方は施工計画書の安全管理で解説しています。

規格値と測定頻度は、設計図書と発注者の施工管理基準で確認して記入します。写真管理の実務は土木における工事写真の撮り方にまとめています。

施工計画書テンプレートの種類と形式

施工計画書テンプレートは、ファイル形式(ExcelかWordか)と、土木工事向けか建築工事向けかで分かれます。ファイル形式は編集のしやすさの違いですが、土木向けと建築向けでは、もとになる仕様書と書類の構成が異なります。

提出先の様式が決まっている場合は、その形式に合わせます。決まっていない場合は、次の特徴を目安に選びます。

エクセル形式の特徴

Excel形式は、工程、機械・資材の一覧、管理項目の一覧など、表で整理する項目が多い書類に向いています。行の追加や削除がしやすく、工事に合わせて項目を増減できます。

Excel形式が向く場面は次のとおりです。

  • 主要資材や主要機械を、規格・数量つきの一覧にしたい場合
  • 品質管理や出来形管理の項目を表で整理したい場合
  • 工種ごとに行を追加して、同じ書式を使い回したい場合

日本建設業連合会 関西支部のひな形集と岐阜県の様式は、いずれもExcel形式です。

ワード形式の特徴

Word形式は、施工方法の説明や安全対策の方針など、文章で書く部分が多い書類に向いています。見出しと段落で章立てを整えやすいためです。北陸地方整備局 営繕部の記載例はWord形式で公開されています。

Excel形式とWord形式の違いを整理します。

比較項目Excel形式Word形式
得意な内容表、一覧、数量文章、説明、章立て
向いている項目主要資材、主要機械、管理項目の一覧施工方法、安全対策の説明
修正のしやすさ行の追加・削除がしやすい段落と書式を整えやすい

どちらの形式でも、記載事項を満たしていれば内容に差はありません。社内と協力会社で扱いやすい形式を選びます。

土木工事向けと建築工事向けの違い

土木工事向けと建築工事向けでは、もとになる仕様書が異なります。国の工事の例で比べると、次のとおりです。

比較項目土木工事向け建築工事向け
もとになる仕様書土木工事共通仕様書(案)令和8年3月公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版
書類の構成1つの施工計画書に16項目を記載する。監督職員が指示した事項は、さらに詳細な施工計画書を提出する工事全般の総合的な計画をまとめた総合施工計画書と、品質計画・施工の具体的な計画などを定めた工種別施工計画書に分かれる
提出の時期工事着手前、または施工方法が確定した時期総合施工計画書は工事の着手に先立ち、工種別施工計画書は工事の施工に先立ち提出する
承諾規定は提出(一部省略には監督職員の承諾が必要)品質計画に係る部分は、監督職員の承諾を受ける

建築工事では、日本建設業連合会 関西支部のひな形集や北陸地方整備局 営繕部の記載例のように、総合施工計画書と工種別施工計画書に分かれたものを選びます。専門工事業者が元請に出す施工要領書については、施工要領書のひな形で解説しています。

施工計画書テンプレートを活用するときの注意点

施工計画書テンプレートは作成時間を短縮できる便利な手段ですが、そのまま提出すると思わぬ不備を招きます。ここでは現場でつまずきやすい三つの観点を整理します。

工事内容に合わせて修正する

テンプレートは標準的な工事を想定したひな形のため、受注した工事に合わない記載が残っていることがあります。実施しない工種が紛れていたり、必要な項目が抜けていたりするため、一項目ずつ工事の内容と照合して修正します。

具体的には、以下の点を提出前に確認します。

  • 実施しない工種や、記入例の文言が残っていないか
  • 自社の施工体制や使用機械の実態と一致しているか
  • 引用している仕様書や基準が、契約で適用される版になっているか
  • 工程や数量が、この工事の実数に置き換わっているか

提出先のルールを確認する

施工計画書の書式に法令上の決まりはありません。提出の要否、記載事項、提出時期は、発注者との契約と仕様書で決まります。発注者が様式や作成の手引きを公開している場合は、それに沿って作ります。提出が必要になる条件は施工計画書の提出義務で解説しています。

確認する項目は次のとおりです。

確認項目確認する場所注意点
指定様式の有無特記仕様書、発注者の様式集発注者の様式があれば優先する
記載事項契約で適用される共通仕様書版によって項目が異なることがある
提出時期共通仕様書、監督職員との打合せ土木工事共通仕様書では、工事着手前または施工方法が確定した時期
変更時の扱い共通仕様書重要な変更は、当該工事に着手する前に変更施工計画書を提出する
提出方法特記仕様書、監督職員との打合せ情報共有システムでの提出か、紙での提出か

着手前の打合せで監督職員に様式と記載事項を確認しておくと、後戻りの手間を防げます。

作成の効率化にアプリやシステムも検討する

修正や様式対応の負担が大きい場合は、施工管理アプリやシステムの導入も選択肢になります。書類のひな形を社内で共有したり、工程表や写真と合わせて管理したりできる製品があります。

導入を検討する際は、自社の規模や課題に合う方式かを見極めることが大切です。

  • 提出書類の作成が多い現場は、帳票の出力ができる製品を選ぶ
  • 工程管理が中心なら、工程表の作成に対応した製品を検討する
  • 現場と事務所の情報共有を重視するなら、書類・写真・図面をまとめて扱える製品を比較する

無料プランや無料トライアルを用意している製品もあります。いきなり全社で導入せず、小規模な現場で試して効果を確かめてから広げる進め方が現実的です。

まとめ:施工計画書テンプレートは信頼できる配布元から選びましょう

施工計画書テンプレートは、日本建設業連合会 関西支部や地方整備局、自治体などの配布元から選べます。土木向けか建築向けか、もとにした仕様書の版はどれかを確認し、工事内容に合わせて修正すれば効率よく作成できます。

出所が不明なファイルは避け、提出先の様式と、契約で適用される仕様書の記載事項を必ず確認しましょう。

本記事のポイント

  • テンプレートは信頼できる配布元から入手する
  • 工事内容や提出先のルールに合わせて修正する
  • アプリやシステムの活用で作成をさらに効率化できる

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施工計画書テンプレートに関するよくある質問

参考文献

  1. 国土交通省 北陸地方整備局 工事書類の簡素化のための参考資料
  2. 一般社団法人日本建設業連合会 関西支部 施工計画書ひな形集
  3. 神奈川県 県土整備局 土木工事書類作成マニュアル及び様式集
  4. 国土交通省 技術調査:土木工事共通仕様書等
  5. 国土交通省 土木工事共通仕様書(案)令和8年3月(PDF)
  6. 国土交通省 官庁営繕 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版
  7. 岐阜県 工事関係様式集(ダウンロード用)

執筆者

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