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施工計画書の安全管理計画の書き方|記載項目と記入例を解説

施工管理・現場DX公開日:最終更新日:

この記事のポイント

施工計画書の安全管理は、国土交通省の土木工事共通仕様書が定める記載事項16項目のひとつ。安全管理組織、第三者施設への対策、安全教育・訓練の計画、リスクアセスメントの結果を具体的に書く。協力会社が元請に届け出る工事安全衛生計画書(全建統一様式第6号)とは別の書類。

施工計画書の安全管理計画の書き方|記載項目と記入例を解説

「施工計画書の安全管理の章に何を書けばいいかわからない。リスクアセスメントの記入欄を具体的にどう埋めるのかイメージがつかめない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 施工計画書の安全管理計画・工事安全衛生計画書・安全衛生計画書の違いと位置づけ
  • 安全管理計画に記載すべき項目とリスクアセスメントの具体的な記入方法
  • 形骸化を防ぐ現場運用のコツとDXツールによる書類効率化の手順

施工計画書の安全管理計画は、工事における危険性を事前に洗い出し、低減措置と実施体制を文書化するものです。国土交通省の土木工事共通仕様書が記載事項の基本ベースとなりますが、記入の具体性が問われるのはリスクアセスメントと組織図です。

本記事では記載項目の一覧から記入例・発注機関ごとの対応まで体系的に解説します。最後まで読んで、差し戻しのない安全管理計画を作成してください。

施工計画書における安全管理計画の基本

施工計画書の安全管理計画は、工事期間を通じて発生しうる労働災害や第三者被害を防止するための方針・体制・具体的な実施事項を文書化したものです。国土交通省の土木工事共通仕様書(令和8年3月改定)は、施工計画書に記載する16項目のひとつとして「安全管理」を挙げています。名前の似た「工事安全衛生計画書」は、協力会社が元請に届け出る安全書類で、施工計画書とは別の書類です。

施工計画書と安全管理計画の関係を整理する

混乱しやすい書類の関係を次の表で整理します。名前は似ていますが、作る人・出す先・根拠が異なります。

書類名作る人と出す先根拠主な内容
施工計画書の安全管理元請(受注者)が発注者の監督職員に提出発注者の共通仕様書(国土交通省の土木工事共通仕様書では第1編1-1-1-6)安全管理組織、危険物の取扱い、第三者施設への対策、安全教育・訓練の計画
工事安全計画書(国の営繕工事)元請(受注者)が監督職員に提出北陸地方整備局営繕部などが記載例を公開安全に関する現場組織体制、施工全般の留意点と対策、公衆災害防止の対策
工事安全衛生計画書(全建統一様式第6号)協力会社(下請)が元請に届け出る全国建設業協会の全建統一様式(労務安全関係の届出書)協力会社が受け持つ工事の安全衛生の計画
安全衛生計画書(全建統一様式の参考様式第2号)協力会社(下請)が元請に届け出る同上(参考様式)会社(事業場)単位の安全衛生活動の計画

施工計画書の「安全管理」と、全建統一様式第6号の「工事安全衛生計画書」は同じ書類ではありません。前者は、元請が発注者との契約(仕様書)に基づいて監督職員に提出する計画です。後者は、全国建設業協会が定める全建統一様式(改訂6版・令和6年10月)のうち、新規入場時等教育実施報告書などと並ぶ労務安全関係の届出書で、現場に入る協力会社が元請に届け出る安全書類として使われます。

国の営繕工事(建築・設備)では、総合施工計画書とは別に「工事安全計画書」を作る運用もあります。北陸地方整備局営繕部は記載例を公開しており、関東地方整備局の「施工計画書(記載項目等参考例)」は、工事安全計画書を別に作成する場合は総合施工計画書の安全衛生管理計画の記載を不要としています。

安全管理計画の記載根拠となる法令と仕様書

施工計画書に安全管理を記載する根拠は、発注者の仕様書と法令に分かれます。施工計画書そのものの位置づけは施工計画書とは何かで解説しています。

  1. 国土交通省「土木工事共通仕様書」第1編1-1-1-6:施工計画書の記載事項16項目に「安全管理」「緊急時の体制及び対応」「交通管理」を挙げる
  2. 同1-1-1-31(工事中の安全確保):安全教育・安全訓練等の具体的な計画を作成し、施工計画書に記載するよう定める
  3. 労働安全衛生法第28条の2:危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)と、その結果に基づく措置(建設業の事業者の努力義務)
  4. 建設業法第26条の4第1項:主任技術者・監理技術者の職務として、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理を定める
  5. 発注機関の特記仕様書:工事固有の安全対策・制限事項を指定

土木工事共通仕様書1-1-1-31は、工事着手後、作業員全員の参加により月当たり半日以上の時間を割り当てて、安全に関する研修・訓練等を定期的に実施することも求めています。この計画を施工計画書に書きます。

リスクアセスメントは、建設業の事業者には努力義務です(一定の化学物質を扱う場合は、業種を問わず実施が義務)。施工計画書の安全管理に「どのような危険があり、どのように低減するか」を具体的に書いておくと、実施した内容を発注者と共有できます。

元請と下請それぞれの作成責任

安全管理計画の作成は、元請と下請で役割が分かれます。施工計画書を誰がいつ提出するかは、施工計画書の提出義務で詳しく解説しています。

  • 元請の役割:工事全体の安全管理を施工計画書にまとめ、発注者(監督職員)に提出する。下請の工種も含めた計画にする。
  • 一次下請の役割:担当工種の安全衛生の計画を作成し、元請に届け出る。全建統一様式第6号(工事安全衛生計画書)はこの場面で使われる。
  • 二次以下の下請の役割:元請・一次下請の指揮のもとで安全活動を実施し、作業員名簿などの安全書類を提出する。

近畿地方整備局の「土木工事書類作成マニュアル(案)」は、施工計画書の現場組織表について「記載するのは元請の体制」としています。下請会社が発注者に直接、安全管理計画を提出することは通常ありません。

施工計画書の安全管理に記載する項目

国土交通省の土木工事共通仕様書は、施工計画書の記載事項として「安全管理」という項目名を挙げるだけで、中身までは定めていません。具体的な記載項目は、地方整備局のマニュアルや手引きで示されます。近畿地方整備局の「土木工事書類作成マニュアル(案)」(令和5年12月改訂版)は、安全管理に記述が必要な項目を次のように示しています。

項目記述する内容
工事安全管理対策安全管理組織(安全協議会の組織等も含む)、危険物を使用する場合の保管及び取扱い、その他必要事項
第三者施設安全管理対策家屋、商店、鉄道、ガス、電気、電話、水道等の第三者施設と近接して工事を行う場合の対策、架空線等上空施設の事前の現地調査
工事安全教育及び訓練についての活動計画毎月行う安全教育・訓練の内容
その他事故が発生した場合の再発防止策(安全管理の修正・追加として施工計画を修正する)

同マニュアルは留意点として、安全管理組織に現場パトロールの体制と保安要員を明記すること、作業主任者の配置が必要な作業は作業名と作業主任者の氏名等を書くことを挙げています。これは近畿地方整備局の例です。発注者によって求める項目は異なるため、実際に書くときは発注者の仕様書と手引きを確認してください。

以下では、この記載項目に沿って書くときに押さえたい内容を順に見ていきます。

安全衛生方針と安全衛生目標を設定する

安全管理計画の冒頭に記載する「安全衛生方針」は、工事を通じた安全への基本姿勢を表明するものです。単なるスローガンではなく、この工事で特に重視する安全上の取り組みを具体的に記します。

安全衛生目標の設定例は次のとおりです。

  • 休業4日以上の労働災害:ゼロ件
  • ヒヤリハット報告件数:月5件以上(隠ぺいしない組織風土の醸成)
  • 安全パトロール実施回数:週2回以上
  • 特別教育・技能講習の受講率:対象作業員100%

目標は「達成できる現実的な数値」を設定し、工事完了時に達成状況を評価できる形にしてください。

工種別の安全管理スケジュールを組む

施工計画書の安全管理計画には、工程表と連動した工種別の安全管理スケジュールを記載します。「この工程では・このタイミングで・この安全対策を実施する」という対応関係を明示することが重要です。基になる計画工程表の作り方は、施工計画書の作り方で解説しています。

工種リスクの高い作業実施する安全措置
掘削工土砂崩壊・転落法面保護・立入禁止区画・バリケード設置
型枠工・コンクリート打設型枠崩壊・感電支保工の計算書確認・仮設電気点検
高所作業墜落・飛来物墜落制止用器具の使用・足場設置・ネット養生
クレーン作業転倒・吊り荷落下アウトリガー設置確認・玉掛資格確認

各工種着手前のKY(危険予知)活動の実施タイミング・TBM(ツールボックスミーティング)の頻度も記載します。

リスクアセスメントで危険性を特定して低減措置を検討する

リスクアセスメントは、工種ごとの危険性・有害性を事前に特定し、リスクの大きさを評価したうえで低減措置を決定するプロセスです。平成18年4月に施行された改正労働安全衛生法により、建設業の事業者はリスクアセスメントの実施が努力義務になりました(第28条の2)。一定の化学物質を製造・取り扱う場合は、業種を問わず実施が義務です。

施工計画書に記載するリスクアセスメントの基本的な書式は次のとおりです。

  1. 危険性・有害性の洗い出し:工種ごとに「転落・挟まれ・感電・有害物質」などのリスク源を列挙する
  2. リスクの見積もり:「発生可能性(大・中・小)」×「重篤度(死亡・休業・軽傷)」でリスクレベルを評価する
  3. 低減措置の決定:法令で定められた事項を実施したうえで、「本質的対策(危険な作業の廃止・変更など)→工学的対策→管理的対策→個人用保護具の使用」の優先順位で対策を検討する
  4. 残留リスクの確認:措置後も残るリスクについて周知・教育を計画する

リスクアセスメントの様式は発注機関から指定される場合があります。指定がない場合は、厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月10日)が示す手順に沿って様式を作ると、抜けを防げます。

日常の安全衛生活動と資機材・保護具を管理する

施工計画書の安全管理計画には、工事期間を通じた日常の安全衛生活動も記載します。

記載すべき日常活動の例は次のとおりです。

  • 朝礼・KY活動:実施頻度・参加者・記録方法
  • 安全パトロール:実施者・頻度・指摘事項の是正確認フロー
  • 作業員安全教育:雇入れ時・作業変更時の教育内容と記録、特別教育の受講状況の確認方法
  • 健康管理:熱中症対策(水分補給・休憩時間の確保)・定期健康診断の実施状況

朝礼やKY活動の実施状況を建設業の日報に残しておくと、計画どおりに実施したことを後から示せます。

使用する保護具・安全資機材の管理計画も記載します。墜落制止用器具(旧称は安全帯)・ヘルメット・安全靴は日常点検の対象であり、点検記録の保管方法も明記してください。

施工計画書の安全管理計画の書き方と記入例

施工計画書の安全管理計画は「様式を埋める」だけでは発注機関から差し戻しを受けます。現場の実態に即した具体的な内容を、発注機関の要求様式に沿って記述することが求められます。

①:安全管理組織図と責任体制を記載する

安全管理組織図は、工事に関わる全員の安全に関する役割と責任を図示したものです。施工計画書の安全管理の冒頭に配置するのが一般的です。

現場の規模と工事の種類に応じて、労働安全衛生法令で選任が必要になる主な役割は次のとおりです。

役割選任が必要になる場合
統括安全衛生責任者・元方安全衛生管理者元請と協力会社の労働者が同じ場所で作業し、その数が常時50人以上の現場(ずい道等の建設、圧気工法による作業、一定の橋梁の建設は常時30人以上)
安全衛生責任者統括安全衛生責任者を選任する現場に入る協力会社
店社安全衛生管理者統括安全衛生責任者の選任が不要な規模で、ずい道等の建設・圧気工法・一定の橋梁の建設・鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建設を行う、常時20人以上の現場
安全管理者常時50人以上の労働者を使用する建設業の事業場
安全衛生推進者常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場
作業主任者選任が必要な作業を行う場合(作業名と氏名を書く)

このほか、現場代理人、主任技術者または監理技術者、協力会社の安全担当者を記載します。組織図には氏名・所属・資格名を記入し、法令上必要な者が配置されているかを確認できる状態にします。

記入例(会社名・氏名は架空です):

現場代理人:山田太郎(元請○○建設株式会社)
  ├ 主任技術者:鈴木一郎(1級土木施工管理技士)
  ├ 安全衛生推進者:田中花子
  └ 協力会社安全担当:佐藤二郎(A工業株式会社)

②:リスクアセスメント欄を具体的に記入する

リスクアセスメントの記入欄は、抽象的な表現では発注機関から「具体性が不足している」と指摘されます。工種・作業・場所・時期に応じた具体的なリスクとその低減措置を記入してください。

記入のNGパターンと改善例は次のとおりです。

NG(抽象的)OK(具体的)
高所作業で転落するリスクがある高さ2m以上の型枠組立作業で、墜落制止用器具を使わずに作業して墜落するおそれがある
対策として安全対策を実施するフルハーネス型の墜落制止用器具を使用し、親綱を設置する。使用状況をKYシートに記録する
重機使用時に注意するバックホウの作業半径内を作業員立入禁止とし、誘導員1名を配置する

リスクの見積もりには「可能性(発生しやすさ)」×「重篤度(被害の大きさ)」のマトリクス評価を使います。評価が高い(リスクレベル大)項目から優先的に低減措置を記入してください。

③:発注機関の様式・共通仕様書に対応する

発注機関(国・県・市区町村・NEXCO等)によって求める様式・記載項目・提出方法が異なります。発注機関の指定様式がある場合は、必ずその様式を使用してください。

発注機関別の対応ポイントは次のとおりです。

  1. 国土交通省の直轄土木工事:土木工事共通仕様書第1編1-1-1-6により、安全管理を施工計画書の記載事項のひとつとして監督職員に提出する。記載する内容は地方整備局のマニュアルや手引きで確認する。
  2. 国の営繕工事(建築・設備):公共建築工事標準仕様書により総合施工計画書を提出する。北陸地方整備局営繕部は「工事安全計画書(記載例)」を公開しており、総合施工計画書に記載があれば省略できる項目を示している。
  3. 都道府県・市区町村:各自治体の共通仕様書または特記仕様書に従う。様式の有無は自治体によって異なる。
  4. NEXCO・鉄道・独立行政法人など:各機関の仕様書と様式を事前に確認する。

北陸地方整備局営繕部の「工事安全計画書(記載例)」は、次の章立てになっています。建築・設備工事で様式の指定がないときの参考になります。

章記載する内容
1 一般事項適用範囲、適用図書、工事概要(総合施工計画書に記載があれば省略可能)
2 安全に関する現場組織体制現場施工体制、現場安全・衛生管理体制(統括安全衛生責任者等)、事故発生時の対応、緊急連絡体制、防火管理組織
3 施工全般にわたる留意点及び対策安全衛生管理に関する具体的な対策、重点目標、事故防止活動(安全教育、安全点検巡視、災害防止協議会)
4 建設工事公衆災害防止対策要綱への対応当該現場で必要な項目の具体的な対策
5 現場の安全衛生管理に関する具体的な対策保護具の着用、火気使用、車両の運転、危険区域の標示、仮設電気・持込機械など
6 関係資料の添付工事に対する安全対策関係の資料

土木工事で様式が指定されていない場合は、前述の地方整備局のマニュアルが示す記載項目に沿って、安全管理組織・第三者施設への対策・安全教育及び訓練の活動計画・工種別のリスクアセスメントを柱に構成すると、漏れを防ぎやすくなります。ひな形の入手先は施工計画書テンプレートで紹介しています。

安全教育・訓練の活動計画は、月ごとの表にすると伝わりやすくなります。次は記入例です(架空の工事を想定したものです)。

月研修・訓練の内容共通仕様書1-1-1-31の区分
4月工事内容と作業手順の周知、新規入場者教育当該工事内容等の周知徹底
5月掘削作業の災害事例を使った安全教育(映像資料)安全活動のビデオ等視覚資料による安全教育
6月大雨・出水を想定した避難と資機材退避の訓練当該工事における災害対策訓練
7月熱中症の予防と救急処置、クレーン作業の事故対策当該工事現場で予想される事故対策

土木工事共通仕様書は、作業員全員の参加により月当たり半日以上の時間を割り当てること、全員の参加が難しい場合は複数回に分けて実施できることを定めています。

実効性のある施工計画書の安全管理計画にするポイント

安全管理計画は作成して提出すれば終わりではありません。現場での形骸化を防ぎ、実際の事故防止に機能させるための運用の工夫が求められます。

形骸化を防ぐ現場運用のコツ

施工計画書の安全管理計画が現場で活用されず「提出用の書類」になってしまう原因は、計画の内容が現場作業員に伝わっていないことです。

形骸化を防ぐための具体的な取り組みは次のとおりです。

  • 朝礼での読み合わせ:施工計画書の安全管理計画の中からその日の作業に関わるリスクと対策を朝礼で読み上げ、全員で確認する
  • KYシートへの反映:前日の段階でKY(危険予知)シートに施工計画書のリスクアセスメント結果を転記し、翌朝のKY活動の出発点にする
  • 掲示板への掲出:現場事務所と現場ゲートの掲示板に「この工事の重点安全対策」を要約して貼り出す
  • 安全パトロール記録との照合:パトロールで指摘した不安全事象を施工計画書の対応項目と紐付け、計画の実効性を検証する

安全管理計画を「生きた書類」として使うには、月次の安全会議でその月の実績と次月の計画を照合する習慣が有効です。

DXツールで安全書類を効率化する

安全書類の作成・管理・共有をデジタル化することで、書類作成の工数を削減しながら品質を均一に保てます。

安全書類のDXで効果が出やすい領域は次のとおりです。

業務従来の方法DXツールによる改善
安全書類の作成毎回ゼロから手書き・Excel作成テンプレートから自動生成・前回データの流用が可能
作業員名簿の管理紙での手書き・更新が滞りがちアプリで一元管理・変更をリアルタイム反映
日次KYシートの提出紙を事務所に持参・保管スマホから提出・クラウドで自動保管
安全パトロール記録手書きメモ→PC入力の二重作業現場でタブレット入力→即時共有

建設業向けの施工管理アプリ(グリーンサイト・ANDPAD・kintone等)では、安全書類のデジタル化機能が充実しており、作業員の資格情報管理から安全書類の電子提出まで一元管理できます。

定期的な見直しと更新サイクルを設ける

施工計画書の安全管理計画は、工事開始時に一度作成して終わりではありません。工事の進捗・季節変動・新たな作業員の入場・工法変更に応じて定期的に見直す必要があります。

見直しのトリガーとなる主な事象は次のとおりです。

  1. 工程変更や施工方法の変更が生じたとき
  2. 新規入場者(特に資格保有状況・経験年数の確認が必要な作業員)が加わったとき
  3. 労働災害・ヒヤリハットが発生したとき(再発防止策を計画に反映)
  4. 季節の変わり目(夏季は熱中症・冬季は凍結・悪天候への対応追加)

近畿地方整備局のマニュアルは、事故が発生した場合の再発防止策を「安全管理の修正・追加の位置付け」とし、施工計画を適切に修正するよう求めています。再発防止策を現場に周知するだけで、施工計画書を直していない例が散見されるとも指摘しています。

見直しの記録は「改訂履歴」として施工計画書の冒頭ページに記載し、「第何版・改訂日・改訂内容」を明記してください。土木工事共通仕様書は、施工計画書の内容に重要な変更が生じた場合、その都度、当該工事に着手する前に変更施工計画書を監督職員に提出するよう定めています(工期や数量等の軽微な変更は除く)。

まとめ:施工計画書の安全管理計画は現場の事故防止を支える核心書類

施工計画書の安全管理計画は、提出のための形式的な書類ではなく、工事の労働災害を防止するための核心的な計画です。リスクアセスメントを具体的に記載し、現場での日常安全活動と連動させることで、はじめて実効性のある管理計画になります。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 安全管理は施工計画書の記載事項のひとつで、元請が監督職員に提出する。協力会社が元請に届け出る工事安全衛生計画書(全建統一様式第6号)とは別の書類
  • リスクアセスメントは「危険性の特定→リスク見積もり→低減措置」の順に工種別・作業別に具体的に記入する
  • 形骸化を防ぐには朝礼・KY活動での計画内容の周知と、月次見直しによる計画の更新が不可欠

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施工計画書安全管理に関するよくある質問

参考文献

  1. 国土交通省「技術調査:土木工事共通仕様書関係」
  2. 国土交通省「土木工事共通仕様書(案)」令和8年3月改定(第1編1-1-1-6 施工計画書、1-1-1-31 工事中の安全確保)
  3. 国土交通省 近畿地方整備局「土木工事書類作成マニュアル(案)」令和5年12月改訂版
  4. 国土交通省 北陸地方整備局営繕部「工事の書類の簡素化・効率化のための参考資料」(工事安全計画書(記載例))
  5. 施工計画書(記載項目等参考例)|関東地方整備局
  6. 厚生労働省「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月10日)
  7. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「リスクアセスメント」
  8. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「統括安全衛生責任者」
  9. 厚生労働省 法令等データベースサービス「労働安全衛生規則」
  10. 厚生労働省 法令等データベースサービス「労働安全衛生法施行令」
  11. 建設業労働災害防止協会「リスクアセスメント」
  12. 全建統一様式 記載例及び解説(改訂6版・令和6年10月)|全国建設業協会
  13. 国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」(令和7年2月1日より適用)

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