準大手ゼネコンとは?一覧と年収・売上ランキング【2026年】
この記事のポイント
準大手ゼネコンはスーパーゼネコンに次ぐ規模の総合建設会社の総称で、公的な定義はなく、連結売上高おおむね3000億円以上が目安です。長谷工コーポレーション、インフロニア・ホールディングス、五洋建設、戸田建設など10社前後を指し、土木や建築、マンションなど得意分野が分かれます。
「準大手ゼネコンとはどの会社を指し、スーパーゼネコンや中堅ゼネコンと何が違うのかを正確に知りたいです。」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 準大手ゼネコンの定義とスーパー・中堅との違い
- 準大手ゼネコン10社の一覧と各社の特徴
- 売上高や年収のランキングと企業の選び方
準大手ゼネコンとは、スーパーゼネコンに次ぐ売上規模を持つ総合建設会社の総称です。
各社の強みや将来性まで理解すれば、就職や転職、取引先選びの判断に役立てられます。さっそく見ていきましょう。
準大手ゼネコンとは
準大手ゼネコンとは、スーパーゼネコンに次ぐ規模を持つ総合建設会社の総称です。法律や行政が定めた定義はなく、一般には連結売上高がおおむね3,000億円以上1兆円前後の会社を指します。
該当するのはおおむね10社前後で、長谷工コーポレーション、インフロニア・ホールディングス(前田建設工業の持株会社)、五洋建設、戸田建設などが代表例です。スーパーゼネコンや中堅ゼネコンとの境界を売上規模で押さえると、業界構造を理解しやすくなります。
準大手ゼネコンの定義
準大手ゼネコンに公的な定義はなく、資料によって範囲が異なります。目安として使われるのは売上規模です。
基準を明示している資料の一つが、建設経済研究所の「主要建設会社決算分析」です。同研究所は、全国で事業を展開する総合建設会社40社を、過去3年間の連結売上高の平均で大手5社・準大手11社・中堅24社に分けています。2026年3月期の分析で準大手とされた11社は、3年平均の連結売上高が2,979億円(奥村組)から1兆1,816億円(長谷工コーポレーション)の範囲です。
| 階層 | 社数 | 会社 |
|---|---|---|
| 大手 | 5社 | 鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店 |
| 準大手 | 11社 | 長谷工コーポレーション、インフロニア・ホールディングス、五洋建設、戸田建設、熊谷組、安藤ハザマ、西松建設、高松コンストラクショングループ、東亜建設工業、東急建設、奥村組 |
| 中堅 | 24社 | 鉄建建設、福田組、淺沼組、東鉄工業、大豊建設など |
(出典:建設経済研究所「2026年3月期(2025年度)主要建設会社決算分析」。過去3年間の連結売上高の平均による分類)
準大手ゼネコンの主な特徴は次のとおりです。
- 連結売上高はおおむね3,000億円以上(長谷工コーポレーションとインフロニア・ホールディングスは1兆円を超える)
- 単体の従業員数は2,500〜4,400人程度(長谷工コーポレーション、五洋建設、戸田建設など8社の有価証券報告書による)
- 全国で事業を展開し、土木・建築のいずれか、または両方に得意分野を持つ
スーパーゼネコンとの違い
準大手ゼネコンとスーパーゼネコンの最大の違いは、売上高の規模です。スーパーゼネコンは、鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店の5社を指します。
最新の決算で比べると、スーパーゼネコンで連結売上高が最も小さい竹中工務店が1兆6,147億円(2025年12月期)、準大手で最も大きい長谷工コーポレーションが1兆2,731億円(2026年3月期)です。順位の全体はゼネコンランキングで確認できます。
| 区分 | 連結売上高(最新の通期決算) | 主な企業 |
|---|---|---|
| スーパーゼネコン | 1兆6,147億〜3兆672億円 | 鹿島・大林組・大成・清水・竹中 |
| 準大手ゼネコン | 3,072億〜1兆2,731億円 | 長谷工・インフロニア・五洋・戸田ほか |
準大手の範囲は、建設経済研究所の分類による11社の数値です。
中堅ゼネコンとの違い
準大手ゼネコンと中堅ゼネコンの違いも、売上規模が基準になります。中堅ゼネコンは連結売上高1,000億〜3,000億円程度が一般的な目安です。
建設経済研究所の集計では、2025年度の連結売上高の合計は準大手11社が6兆5,261億円、中堅24社が2兆6,602億円でした。1社あたりにすると準大手が約5,900億円、中堅が約1,100億円で、5倍ほどの開きがあります。
特定の地域を基盤とする地場ゼネコンと比べると、準大手は全国で大型の工事を請け負う点が異なります。
準大手ゼネコンの一覧と各社の特徴
準大手ゼネコンとは、連結売上高がおおむね3,000億円以上で、スーパーゼネコンに次ぐ規模を持つ総合建設会社です。各社は土木やインフラ、マンションなど得意分野が分かれており、発注や協業、就職を検討するときは会社ごとの特徴を把握しておくと比べやすくなります。
準大手ゼネコン10社の顔ぶれ
準大手として名前が挙がることの多い10社を整理します。資料によって顔ぶれは前後し、建設経済研究所の分類では、ここに挙げた会社のほかに高松コンストラクショングループ、東亜建設工業、奥村組が準大手に入ります。東亜建設工業と奥村組は中堅ゼネコン一覧でも取り上げています。
| 会社名 | 主な強み・専門分野 | 2026年10月時点の位置づけ |
|---|---|---|
| 長谷工コーポレーション | 分譲マンションの施工 | 上場 |
| 五洋建設 | 海洋土木・港湾(マリコン) | 上場 |
| 前田建設工業 | 土木・建築、インフラ運営 | 上場持株会社インフロニア・ホールディングスの子会社 |
| 戸田建設 | 建築・洋上風力など再エネ土木 | 上場 |
| フジタ | 建築・土木の総合力、海外案件 | 非上場 |
| 熊谷組 | 山岳トンネルなどの土木 | 上場 |
| 三井住友建設 | 橋梁・PC構造などの土木 | 2025年12月19日に上場廃止、インフロニア・ホールディングスの完全子会社。2026年10月1日にアルソシア建設へ社名変更 |
| 安藤ハザマ | 土木・ダム・トンネル | 上場 |
| 西松建設 | 土木・トンネル・海外土木 | 上場 |
| 東急建設 | 鉄道関連・都市再開発の建築 | 上場 |
2025年には再編が続きました。三井住友建設は、インフロニア・ホールディングスによる株式公開買付けを経て2025年12月19日に上場廃止となり、同月23日に同社の完全子会社になりました。準大手に次ぐ規模の東洋建設も、大成建設による株式公開買付けを経て2025年12月16日に上場廃止となっています。
土木やインフラに強い企業
土木・インフラ分野に強みを持つ会社として、五洋建設・前田建設工業・三井住友建設などが挙げられます。港湾や橋梁、トンネルといった社会基盤の工事で実績を重ねてきた会社です。
- 五洋建設:港湾・海洋工事を主力とする「マリコン」
- 前田建設工業:持株会社インフロニア・ホールディングスのもとで、インフラの運営事業も手がける
- 三井住友建設(2026年10月1日からアルソシア建設):橋梁やPC(プレストレストコンクリート)構造の工事
工事の種類によって実績のある会社が変わるため、発注や協業を検討するときは、海洋・橋梁・トンネルといった工種ごとに各社の施工実績を確認するのが実務的です。
建築やマンションに強い企業
建築分野、とりわけ集合住宅を主力とするのが長谷工コーポレーションです。同社は1969年以来の累計マンション施工が65万戸を超え、これは国内分譲マンションストックの約1割に相当する規模で、用地情報の収集から事業計画立案までを担う独自のビジネスモデルを確立しています。
建築・都市開発の分野では、東急建設やフジタも挙げられます。東急建設は鉄道関連工事や駅周辺の都市再開発で実績を積み、フジタは建築と土木の両方で国内外の案件に対応しています。
準大手ゼネコンの売上高・年収ランキング
準大手ゼネコンを比べるときは、売上規模・平均年間給与・営業利益率の3つの軸で並べると違いが見えます。ここでは、各社の2026年3月期の決算短信と有価証券報告書の数値を整理します。
売上高ランキング
建設経済研究所の分類による準大手11社を、2026年3月期の連結売上高の順に並べると次のとおりです。
| 順位 | 会社名 | 売上高(連結) | 営業利益(連結) |
|---|---|---|---|
| 1 | 長谷工コーポレーション | 1兆2,731億円 | 987億円 |
| 2 | インフロニア・ホールディングス | 1兆1,248億円 | 758億円 |
| 3 | 五洋建設 | 7,943億円 | 553億円 |
| 4 | 戸田建設 | 6,457億円 | 382億円 |
| 5 | 熊谷組 | 4,876億円 | 270億円 |
| 6 | 安藤ハザマ | 4,396億円 | 336億円 |
| 7 | 西松建設 | 3,960億円 | 280億円 |
| 8 | 東亜建設工業 | 3,586億円 | 241億円 |
| 9 | 高松コンストラクショングループ | 3,576億円 | 178億円 |
| 10 | 東急建設 | 3,411億円 | 163億円 |
| 11 | 奥村組 | 3,072億円 | 159億円 |
※順位の基準は連結売上高。各社の2026年3月期の決算短信による。金額は億円未満切り捨て。インフロニア・ホールディングスは前田建設工業などの持株会社で、国際会計基準(IFRS)による数値。
非上場の会社は決算短信を出していないため、この表には含めていません。決算公告によると、2026年3月期の単体の売上高は、フジタが4,873億円、三井住友建設が2,649億円です。単体と連結では集計の範囲が違うため、上の表とそのまま比べることはできません。
平均年収ランキング
年収の比較には、有価証券報告書の「従業員の状況」に載る平均年間給与を使います。これは提出会社(単体)の従業員の平均で、賞与と基準外賃金を含みます。2026年3月期の有価証券報告書の数値は次のとおりです。
| 順位 | 会社名 | 平均年間給与 | 従業員数 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 安藤ハザマ | 約1,063万円 | 3,427人 | 46.3歳 |
| 2 | 西松建設 | 約1,061万円 | 2,706人 | 43.8歳 |
| 3 | 前田建設工業 | 約1,048万円 | 3,375人 | 43.8歳 |
| 4 | 長谷工コーポレーション | 約1,039万円 | 2,711人 | 39.4歳 |
| 5 | 戸田建設 | 約1,038万円 | 4,404人 | 44.3歳 |
| 6 | 東急建設 | 約1,027万円 | 2,562人 | 43.5歳 |
| 7 | 東亜建設工業 | 約1,019万円 | 1,880人 | 44歳 |
| 8 | 奥村組 | 約1,006万円 | 2,492人 | 42.6歳 |
| 9 | 五洋建設 | 約935万円 | 3,439人 | 41.3歳 |
| 10 | 三井住友建設 | 約920万円 | 2,846人 | 46.0歳 |
| 11 | 熊谷組 | 約917万円 | 2,740人 | 44.0歳 |
※順位の基準は平均年間給与(単体、2026年3月31日現在)。万円未満切り捨て。前田建設工業と三井住友建設は、親会社インフロニア・ホールディングスの有価証券報告書に記載された数値。
持株会社は従業員が少なく、事業会社の水準を表さないため、表から除いています。たとえばインフロニア・ホールディングス単体の従業員は96人で、平均年間給与は約1,188万円です。平均年間給与は平均年齢や職種の構成、その期の賞与によって変わるため、順位の差がそのまま待遇の差を示すわけではありません。
営業利益率で見る収益力
売上高に対する本業の利益の割合を示すのが営業利益率です。準大手11社の2026年3月期の営業利益率(連結)は、4.8〜7.8%の範囲でした。
| 会社名 | 営業利益率(2026年3月期) | 前期の営業利益率 |
|---|---|---|
| 長谷工コーポレーション | 7.8% | 7.2% |
| 安藤ハザマ | 7.6% | 8.3% |
| 西松建設 | 7.1% | 5.8% |
| 五洋建設 | 7.0% | 3.0% |
| インフロニア・ホールディングス | 6.7% | 5.6% |
| 東亜建設工業 | 6.7% | 6.2% |
| 戸田建設 | 5.9% | 4.5% |
| 熊谷組 | 5.6% | 2.9% |
| 奥村組 | 5.2% | 3.3% |
| 高松コンストラクショングループ | 5.0% | 3.3% |
| 東急建設 | 4.8% | 3.0% |
※各社の決算短信の連結売上高と営業利益から計算(営業利益÷売上高)。
11社のうち10社で営業利益率が前期を上回りました。建設経済研究所の集計でも、準大手11社の売上高営業利益率は2024年度の5.1%から2025年度は6.7%に上がっています。売上高の順位と営業利益率の順位は一致しません。
準大手ゼネコンの将来性と選び方
準大手ゼネコンの事業環境と、会社を比べるときの見方を整理します。市場規模、就職や転職での考え方、比較の軸の順に見ていきます。
市場規模と業界の将来性
建設経済研究所の集計によると、準大手11社の2025年度の連結売上高の合計は6兆5,261億円(前年度比10.6%増)、単体の受注高の合計は6兆3,278億円(同22.2%増)でした。2026年度の予想は、売上高が9.5%増、営業利益が4.6%増です。
国内の建設需要については、国土交通省が2026年度の建設投資を81兆4,700億円(前年度比2.9%増)と見通しています。
一方で、建設業界は2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)や、就業者の高齢化に伴う人手不足という課題を抱えています。都市部の再開発、高度経済成長期に整備されたインフラの更新、建設DXによる生産性向上にどう対応するかが、各社に共通するテーマです。
就職や転職でどこがいいか
準大手ゼネコンのどこがいいかという問いに、唯一の正解はありません。各社が得意とする工事領域や事業構成が異なり、自分の志向と合うかどうかで答えが変わるからです。
たとえば五洋建設は海洋土木、長谷工コーポレーションは分譲マンションの施工というように、会社ごとに主力の分野があります。ランキングの順位は、売上高・営業利益率・平均年間給与のどれを基準にするかで入れ替わります。
特定の一社に絞る前に、複数の会社を自分の基準で比べることが大切です。
企業選びで見るべきポイント
企業選びでは、複数の軸を組み合わせて総合的に判断することが大切です。一つの指標だけでは実態を捉えきれないためです。
| 比較の軸 | 確認するポイント | 確認できる資料 |
|---|---|---|
| 専門分野 | 土木・建築・海洋・マンションなど得意領域 | 決算短信のセグメント情報、各社の施工実績 |
| 年収 | 平均年間給与、平均年齢、平均勤続年数 | 有価証券報告書の「従業員の状況」 |
| 働きやすさ | 男性の育児休業取得率、女性管理職比率など | 有価証券報告書、各社の統合報告書 |
| 将来性 | 受注高、次期繰越高、財務の安定性 | 決算短信、決算説明資料 |
具体的には、次の点を押さえておくと比較しやすくなります。
- 自分の希望する職種や工事領域に強みがあるか
- 年収水準と評価制度が納得できる内容か
- 2024年問題を踏まえた労働環境の改善が進んでいるか
- 再開発やインフラ更新など成長分野への取り組みがあるか
これらの軸を自分の優先順位に沿って並べ替え、各社の公表資料で確かめることが、納得のいく選択につながります。
まとめ:準大手ゼネコンは規模と専門性で選ぶ
準大手ゼネコンについて、定義やスーパーゼネコンとの違い、10社の特徴、売上高や年収のランキング、選び方を解説しました。公的な定義はないものの、連結売上高おおむね3,000億円以上を目安とする総合建設会社を指します。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 準大手ゼネコンはスーパーに次ぐ規模の総合建設会社
- 各社は土木や建築など得意分野で強みが分かれる
- 企業選びは規模だけでなく専門性と将来性で見る
各社の特徴と数値を把握しておくと、業界研究や取引先の検討で会社を比べやすくなります。
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準大手ゼネコンに関するよくある質問
参考文献
- 国土交通省 全国の建設業許可業者数調査の結果
- 国土交通省 令和8年度(2026年度)建設投資見通し 概要(令和8年8月31日)
- 建設経済研究所 2026年3月期(2025年度)主要建設会社決算分析(2026年6月1日)
- 長谷工コーポレーション 2026年3月期 決算短信
- インフロニア・ホールディングス 2026年3月期 決算短信
- 五洋建設 2026年3月期 決算短信
- 戸田建設 2026年3月期 決算短信
- 熊谷組 2026年3月期 決算短信
- 安藤ハザマ 2026年3月期 決算短信
- 西松建設 2026年3月期 決算短信
- 東亜建設工業 2026年3月期 決算短信
- 高松コンストラクショングループ 2026年3月期 決算短信
- 東急建設 2026年3月期 決算短信
- 奥村組 2026年3月期 決算短信
- 長谷工コーポレーション 第109期 有価証券報告書
- 五洋建設 第76期 有価証券報告書
- 戸田建設 第103期 有価証券報告書
- 熊谷組 第89期 有価証券報告書
- 安藤ハザマ 第13期 有価証券報告書
- 西松建設 第89期 有価証券報告書
- インフロニア・ホールディングス 第5期 有価証券報告書
- 東亜建設工業 第136期 有価証券報告書
- 奥村組 第89期 有価証券報告書
- 東急建設 第23期 有価証券報告書
- フジタ 第24期 決算公告
- 三井住友建設 第23期 決算公告
- 当社株式の上場廃止に関するお知らせ(2025年12月18日)- 三井住友建設
- 三井住友建設の完全子会社化に関するお知らせ(2025年12月23日)- インフロニア・ホールディングス
- 社名変更に関するお知らせ(2026年2月16日)- 三井住友建設
- 当社株式の上場廃止に関するお知らせ(2025年12月15日)- 東洋建設
執筆者
編集部
Construction DX 編集部は、建設DX・建設テック・業界動向に関するニュースや解説記事を制作する編集チームです。最新の技術・市場・制度・導入事例をわかりやすく整理し、建設業界のDX推進に役立つ情報を中立的な視点で発信しています。
監修者
リサーチチーム
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