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建設業許可の種類とは?29業種一覧と一般・特定の違いを解説

制度・法対応

この記事のポイント

建設業許可の種類には、営業所の配置による大臣・知事許可、下請発注規模による一般・特定許可の区分があります。業種は一式工事と専門工事の計29業種に分類され、2025年2月の法改正で特定建設業の必要金額基準が引き上げられました。

建設業許可の種類とは?29業種一覧と一般・特定の違いを解説

「自社が取得すべき建設業許可の種類がどれなのか、また29種類もある業種のうちどの区分で申請すればよいか分かりません。」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 建設業許可の基本区分(大臣/知事、一般/特定)
  • 29種類の業種一覧と工事内容の分類
  • 自社に最適な許可区分の選び方と要件

建設業許可の種類には、知事と大臣、一般と特定といった区分があり、工事内容や契約規模に応じて最適な業種を選ぶ必要があります。

区分の違いや選び方の手順を実務目線で整理しました。この記事を読むことで、自社が取得すべき許可の種類が明確にわかります。

建設業許可の種類に関する基本の区分

建設業許可には29種類の業種が存在し、営業所の配置場所や下請契約の規模による区分に分かれています。事前に建設業許可の要件と手順を把握し、自社の事業形態に合わせて適切な種類を選ぶことが大切です。

国土交通大臣が交付する大臣許可

複数の都道府県にまたがって営業所を設ける場合は、大臣許可が必要になります。 他県に新規の営業所を出店して建設業を営む企業が対象です。 新規申請の登録免許税として15万円の金額を納める必要があります。 なお、他県に工事現場があるだけなら大臣許可は不要ですが、大規模な下請発注がある場合は特定建設業の要件と下請制限にも注意しましょう。

都道府県知事が交付する知事許可

1つの都道府県内のみに営業所を置く場合は、知事許可を選択します。 営業所がある都道府県以外の場所でも、制限なく建設工事を請け負うことが可能です。 知事許可の新規申請には9万円の手数料がかかります。 手続きが大臣許可に比べてシンプルであり、建設業許可における500万円の請負金額基準を超える工事を受注するために多くの事業者が最初に取得する区分です。

区分営業所の設置場所新規の手数料
知事許可1つの都道府県のみ9万円
大臣許可2つ以上の都道府県15万円

※どちらの許可であっても全国の工事現場で施工可能です。

一般建設業の許可

一般建設業の許可は、自社で施工を行うか、小規模な下請発注のみを行う場合に取得します。 元請として受注した工事を下請業者に出す際、その発注金額が一定基準に満たない企業が対象です。 特定建設業に比べて、専任技術者の資格要件や財産要件が緩やかに設定されています。 多くの建設業者が最初に申請する許可の種類であり、取得後の管理や建設業許可証の再発行手続きなども事前に確認しておくと安心です。

特定建設業の許可

特定建設業の許可は、元請として受注した工事で大規模な下請発注を行う際に必要です。 下請代金の総額が一定以上となる契約を結ぶ場合に取得しなければなりません。 2025年2月に施行された法改正によって、特定建設業が必要となる金額基準が引き上げられました。 最新の金額基準では、建築一式工事で8,000万円以上、その他の工事で5,000万円以上と定められています。 法人だけでなく、個人事業主の建設業許可の要件としてもこれらの基準が適用されるため注意が必要です。

許可区分下請代金の総額基準
一般建設業建築一式8,000万円未満かつその他5,000万円未満
特定建設業建築一式8,000万円以上またはその他5,000万円以上

※下請契約の合計金額は消費税を含んで計算します。

建設業許可の種類を構成する29の業種一覧

建設業許可の種類は建設業法によって29の業種に区分されています。請け負う工事の種類に応じた適切な許可の取得が必要であり、他社の取得状況などは建設業許可を検索システムで調べることができます。

29業種の全体像を把握する

建設業の業種一覧を把握することは手続きの第一歩です。建設業許可の種類は2種類の一式工事と27種類の専門工事に大きく分かれます。

建設業の種類をわかりやすく表にまとめました。

工事の分類業種数主な役割
一式工事2業種総合的な企画や調整を行う大規模な工事
専門工事27業種各専門分野における具体的な施工工事

29業種のうち土木や建築など7つの業種は指定建設業です。指定建設業は高い技術水準が必要なため専任技術者の資格要件が厳しく設定されており、公共工事への参入を目指す上では建設業の経営審査(経審)でも重要な評価対象となります。

一式工事に分類される業種

一式工事に分類されるのは土木一式工事と建築一式工事の2業種です。これらは複数の専門工事を組み合わせて行う大規模な工事を元請として総合的にマネジメントします。

一式工事の許可があればすべての専門工事を単独で請け負えると誤解されがちです。建築一式工事の許可のみで500万円以上の専門工事を単独で施工することは建設業法違反となります。

専門工事のみを請け負う場合は業種に応じた許可が個別に必要です。また、一式・専門のいずれの許可区分でも、5年ごとに建設業許可を更新する基準を満たして手続きを行う必要があります。

専門工事に分類される業種

専門工事に分類される業種は全部で27種類存在します。建設業29業種一覧から一式工事を除いたすべての業種が専門工事です。

具体的な専門工事の種類は以下の箇条書きのとおりです。

  • 大工工事や左官工事
  • とび・土工工事業や石工事
  • 屋根工事や電気工事
  • 管工事やタイルれんがブロック工事
  • 鋼構造物工事や鉄筋工事
  • 舗装工事やしゅんせつ工事
  • 板金工事やガラス工事
  • 塗装工事や防水工事
  • 内装仕上工事や機械器具設置工事
  • 熱絶縁工事や電気通信工事
  • 造園工事やさく井工事
  • 建具工事や水道施設工事
  • 消防施設工事や清掃施設工事
  • 解体工事

建設業許可の種類には一般建設業と特定建設業の区分が存在します。元請として下請契約を結ぶ金額の規模によってどちらの許可が必要か決まるルールです。

許可を取得するためには一定の資格や実務経験を持つ専任技術者の配置が必須です。各業種で求められる資格が細かく定められています。

自社が必要な建設業許可の種類は施工する工事の実態で判断します。500万円以上の専門工事を施工する場合は必ず各専門工事の許可が必要であり、要件クリアのために建設業許可裏ワザと最短ルートについて調べることも有効な対策です。

各業種の略称と特徴

建設業許可の種類には略称が定められており手続きなどで用いられます。申請書や管理用書類では漢字1文字やひらがなで表現される仕組みです。

建設業の業種一覧とそれぞれの略称や特徴は以下の表のとおりです。

業種名略称主な特徴
土木一式工事業総合的な土木工作物を建設する工事
建築一式工事業総合的な建築物を建設する工事
大工工事業木材の加工や取付けを行う工事
左官工事業壁や床にコテで砂漆喰などを塗る工事
とび・土工工事業足場組立や土砂の掘削などを行う工事
石工事業石材の加工や積込みを行う工事
屋根工事業瓦やスレートで屋根をふく工事
電気工事業発電設備や送配電線を取り付ける工事
管工事業冷暖房設備や給排水の配管を行う工事
タイル・れんが・ブロック工事業タイルやれんがを張り付ける工事
鋼構造物工事業鉄骨の組立や鋼構造物を作る工事
鉄筋工事業鉄筋の配筋や組立を行う工事
舗装工事業道路のアスファルト舗装などを行う工事
しゅんせつ工事業しゅ水底の土砂を掘削する工事
板金工事業金属薄板を加工して取り付ける工事
ガラス工事業建物にガラスを取り付ける工事
塗装工事業塗料や吹付け材を塗布する工事
防水工事業アスファルトやシートで防水する工事
内装仕上工事業天井や壁紙などの内装を仕上げる工事
機械器具設置工事業プラントやエレベーターなどを設置する工事
熱絶縁工事業配管やダクトの保温保冷を行う工事
電気通信工事業電気通信設備を設置する工事
造園工事業庭園や緑地の造成を行う工事
さく井工事業さく井や観測井の掘削を行う工事
建具工事業サッシや戸を取り付ける工事
水道施設工事業取水や浄水などの水道施設を設置する工事
消防施設工事業消火栓や避難設備を設置する工事
清掃施設工事業ごみ処理施設などを設置する工事
解体工事業建築物や工作物を解体する工事

自社の業務に関わる建設業許可の種類と略称を確認しておくと便利です。書類手続きや営業所での掲示などで幅広く役立ちますが、書類作成の負担を減らすための建設業許可の行政書士費用なども事前に調べておくとスムーズです。

建設業許可の種類である一般と特定の違い

一般建設業許可と特定建設業許可の最大の違いは、下請に出す金額の規模です。自社が元請として多くの下請業者を活用する場合は特定建設業許可が必要となります。

一般と特定で異なる金額制限や技術者要件、財産的要件の違いを解説します。さらに詳しい法令の適用や建設業許可事務ガイドラインの概要も確認しておきましょう。

下請契約で発生する金額制限

元請として直接工事を請け負い下請契約を結ぶ金額には、上限があります。2025年2月1日施行の法改正で、基準額が引き上げられました。

2026年現在、1件の元請工事で下請業者に発注する総額が一定以上になる場合は特定建設業許可が必要です。一般建設業許可と特定建設業許可における金額制限の違いを表にまとめました。

許可区分下請発注額の制限(建築一式以外)下請発注額の制限(建築一式工事)
一般建設業許可総額 5,000万円未満総額 8,000万円未満
特定建設業許可総額 5,000万円以上総額 8,000万円以上

下請発注の総額が基準以上になる場合は、特定建設業許可の取得が不可欠です。元請としての請負金額自体には上限が設けられていません。

下請発注を行わない場合や発注額が基準未満であれば、一般建設業許可で施工可能です。自社の受注計画に合わせて適切な区分を選択してください。

専任技術者に求められる資格の差

建設業許可を取得するには、各営業所に専任技術者を配置する必要があります。特定建設業許可では下請保護の観点から、一般建設業許可よりも高度な技術力が求められる仕組みです。

専任技術者における資格や実務経験の主な違いを整理しました。

項目一般建設業許可の要件特定建設業許可の要件
必要な国家資格2級以上の国家資格など原則として1級の国家資格など
実務経験での代替10年以上の実務経験など指導監督的な実務経験が追加で必要

特定建設業許可の専任技術者は、原則として1級の国家資格保持者が対象となります。実務経験で申請する際は、元請として4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)の工事で2年以上の指導監督的経験が必要です。

指定建設業に指定されている7業種については、実務経験による特定専任技術者の申請が認められません。土木や建築などの指定7業種では、必ず1級資格者を配置するルールです。

財産的基礎として必要な基準

建設業許可では、発注者や下請業者を保護するために一定の資金力が求められます。満たすべき財務基準の厳しさは、一般と特定で大きく異なるポイントです。

それぞれの許可申請において求められる財産的基礎の要件を比較しました。

項目一般建設業許可の基準特定建設業許可の基準
自己資本500万円以上(または資金調達力)4,000万円以上
資本金要件なし2,000万円以上
欠損の額要件なし資本金の20%以下
流動比率要件なし75%以上

一般建設業許可は、自己資本が500万円以上または同等の資金調達力があればクリア可能です。特定建設業許可を申請する場合は、4つの財務要件をすべて同時に満たす必要があります。

決算書の内容が基準に達しない場合は、特定建設業許可の取得は不可能です。決算期前に財務状況を確認し、必要な対策を講じてください。

自社に必要な建設業許可の種類を選ぶ方法

自社が取得すべき建設業許可の種類を選ぶするには、いくつかの基準を整理しなければなりません。現状を正しく把握しないと、申請手続きのやり直しによる時間や費用のロスにつながります。

無駄のない申請を行うために、4つの手順に沿って確認を進めましょう。

①自社が施工する工事内容を確認する

建設業許可の種類には略称も存在しますが、ここでは正式名称で説明します。まずは自社が施工する具体的な工事内容の確認が必要です。

建設業許可の種類は全部で29業種あり、建設業業種一覧や建設業29業種一覧として整理されています。これらは大きく一式工事と専門工事の2つに区分されます。

工事区分主な内容具体的な業種例
一式工事総合的な企画や指導のもとで行う大規模な工事土木一式、建築一式
専門工事各専門分野の施工を行う工事大工、左官、電気、管など27業種

一式工事の許可があれば、すべての専門工事を施工できるわけではありません。基本的には、自社が請け負う専門工事の許可を取得する必要があります。

②下請会社に出す金額を確認する

元請として工事を受注し、下請会社へ発注する金額規模の確認が必要です。この下請発注金額によって、一般建設業と特定建設業のどちらの区分になるかが決定します。

2025年2月1日の建設業法施行令改正により、特定建設業許可が必要となる金額基準が引き上げられました。2026年現在適用されている建設業許可種類の金額基準は以下の通りです。

  • 建築一式工事:下請契約の総額が8,000万円以上(税込)
  • 建築一式工事以外の工事:下請契約の総額が5,000万円以上(税込)

下請会社に発注する総額が上記の基準未満であれば、一般建設業許可で対応できます。他社の下請として工事に入る場合や、自社だけで施工する場合も一般の区分で問題ありません。

③営業所を置く所在地を確認する

自社が建設業の営業を行う事務所の設置場所を確認してください。営業所の所在地によって、知事許可か大臣許可かの区分が決定します。

営業所が1つの都道府県内のみにある場合は知事許可になります。2つ以上の都道府県にまたがって営業所を設置する場合は大臣許可が必要です。

どちらの区分であっても、施工できるエリアに制限はありません。知事許可であっても日本全国で工事を施工可能です。

④在籍する技術者の資格を確認する

営業所に常勤させる専任技術者の資格や実務経験を確認してください。建設業許可の種類によって必要となる資格や要件は異なります。

一般建設業許可では、2級国家資格や10年以上の実務経験などが要件です。特定建設業許可では、原則として1級国家資格や指導監督的な実務経験が求められます。

自社に必要な建設業許可種類をわかりやすく整理し、要件を満たす技術者が社内にいるか確認しましょう。

建設業許可の種類ごとに必要な取得要件

建設業許可を取得するためには、法律で定められた基準をクリアする必要があります。一般建設業許可と特定建設業許可のどちらを選ぶかによって、求められる要件の厳しさは異なります。

ここでは、建設業の種類や要件についてわかりやすく解説します。建設業許可の種類ごとに必要な4つの主要な取得要件について、事前に各条件を整理してスムーズな申請を目指しましょう。

経営業務を管理する能力

建設業の適切な経営体制を整えるため、常勤の役員等の中に経営経験を持つ人を配置することが求められます。2020年10月の法改正により、個人の要件から組織全体の管理体制を評価する仕組みへ移行しました。

これにより、申請する業種以外の建設業における経営経験であっても、一律で5年以上あれば基準をクリアできます。また、役員を補佐する人を財務や労務などの部門に配置して体制を整える方法も認められています。

専任技術者の適切な配置

すべての営業所には、建設工事の専門知識や技術を持つ専任技術者を常勤で配置しなければなりません。建設業許可の種類ごとに必要な資格や実務経験の基準は、一般と特定で大きく異なります。

一般建設業では、指定の国家資格の保有や、関連する学科の卒業および実務経験が必要です。なお、実務経験のみで証明する場合は10年以上の経験が求められます。

2023年7月の改正により、施工管理技術検定の合格者も指定学科の卒業者と同等とみなされるようになり、実務経験が短縮されました。一方で、特定建設業では1級国家資格の保有や元請としての指導監督的な実務経験が必要です。

誠実性の確保と証明

建設業許可を受けるためには、請負契約の締結や履行において不正な行為をするおそれがないことを証明しなければなりません。これは、法人の役員や支店長などの重要な管理職を務める人が対象となります。

具体的には、暴力団員との関わりがないことや、過去に重大な法律違反がないことが基準です。欠格事由に該当する場合は、誠実性がないとみなされて許可を取得することはできません。

財産的基礎の確立と維持

建設工事を確実に履行するため、申請時に一定以上の資金力があることが求められます。満たすべき財産の基準は、一般建設業と特定建設業で大きく異なります。

一般の建設業許可の種類では自己資本額が500万円以上であることなどが判断基準となります。一方で特定建設業はさらに細かく厳しい条件が設定されており、それぞれの財産要件は以下の表の通りです。

許可の種類主な財産的基礎の要件
一般建設業自己資本が500万円以上であること、または500万円以上の資金調達能力があること
特定建設業欠損の額が資本金の20%以下であること、流動比率が75%以上であること、資本金が2,000万円以上かつ自己資本が4,000万円以上であること

まとめ:建設業許可の種類を正しく理解して自社に合う区分を選びましょう

建設業許可の種類には多くの区分があり、誤った区分で申請すると時間や費用のロスにつながります。自社が請け負う工事内容や下請契約の規模をあらかじめ見極めることが重要です。

自社の技術者資格や営業体制を確認し、適切な業種と区分を選択して申請準備を進めていきましょう。

本記事のポイント

  • 大臣・知事、一般・特定の区分は営業所や下請発注額で決定
  • 29の許可業種は一式工事と専門工事の分類に注意が必要
  • 専任技術者の有資格状況などから取得可能な業種を絞り込む

建設業許可の種類に関するよくある質問

参考文献

  1. 国土交通省:建設業の許可
  2. 国土交通省:建設産業・不動産業

執筆者

Construction DX 編集部
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