建設業許可 専任技術者の要件と証明方法|退職時の対応も解説
この記事のポイント
建設業許可の専任技術者は国家資格・学歴と実務経験・10年実務経験の3ルートで要件を満たせます。営業所ごとの常勤配置が義務で、退職・不在時は2週間以内に変更届が必要。後継者の事前確保が許可維持の最大のリスク対策です。
「建設業許可を取得したいが、専任技術者として登録できる社員がいるかどうか分からない。国家資格がなくても実務経験10年で代替できるのかを確認したい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 専任技術者の定義と主任技術者・監理技術者との役割の違いを整理
- 国家資格・学歴と実務経験・10年実務経験のみという3つのルートで要件を確認する方法
- 専任技術者が退職・不在になったときの許可への影響と具体的な対処手順
建設業許可の専任技術者(令和6年12月から法律上の名称は「営業所技術者等」)は、一般建設業であれば国家資格・学歴と実務経験・10年実務経験のいずれかのルートで要件を満たすことができます。
専任技術者が退職した場合のリスクと後継対策まで本記事で解説します。最後まで読んで、要件確認と許可維持の準備に役立ててください。
建設業許可における専任技術者とは何か
建設業許可を取得・維持するうえで、専任技術者の配置は経営業務管理責任者と並ぶ中核要件です。まずは建設業許可の基本である取得要件を正確に把握しておくことで、許可申請の準備や将来リスクへの備えをスムーズに進められます。
専任技術者の定義と法的な役割
専任技術者とは、建設業法第7条・第15条に基づき、建設業の許可を受けた業者が各営業所に常勤で配置しなければならない技術者のことです。令和6年12月13日の改正建設業法の施行で、法律上の名称は営業所技術者等(旧・専任技術者)に変わりました。一般建設業では「営業所技術者」、特定建設業では「特定営業所技術者」と呼びます。本記事では、広く使われている「専任技術者」の呼び名で説明します。これは建設業許可における経営管理責任者の要件と並んで重要な人的基準であり、許可を受けようとする建設工事の種類ごとに一定の国家資格や実務経験を持つ者が求められます。
法的な役割は、営業所において工事の見積り・契約・施工計画など技術的な管理を担うことです。専任技術者の制度は、適切な技術力を持たない業者が無制限に受注することを防ぎ、発注者・下請業者を保護する仕組みとして機能しています。
主任技術者・監理技術者との違い
3者は名称が似ていますが、配置場所と役割がまったく異なります。混同すると許可申請や現場管理で重大なミスにつながるため、以下の表で整理しておきます。
| 区分 | 配置場所 | 役割 | 設置が必要な場面 |
|---|---|---|---|
| 専任技術者(営業所技術者等) | 営業所 | 技術的な見積・契約管理 | 建設業許可の取得・維持 |
| 主任技術者 | 工事現場 | 施工の技術上の管理 | 全ての工事現場(許可業者) |
| 監理技術者 | 工事現場 | 施工管理+下請指導 | 元請として下請代金の合計が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる現場 |
専任技術者は営業所に常勤することが原則で、工事現場への専任配置は求められません。一方、主任技術者・監理技術者は工事ごとに現場へ配置される点が大きな違いです。監理技術者の配置が必要になる下請代金の額は、令和7年2月1日に4,500万円(建築一式工事7,000万円)から現在の額に引き上げられました。
営業所ごとに選任が必要な理由
建設業法は、許可を受けた業種ごとに専任技術者を各営業所へ配置することを義務づけています。複数の業種の許可を持つ場合や、本店と支店の双方で営業する場合は、それぞれの拠点・業種の組み合わせに対応した専任技術者が必要です。建設業許可事務ガイドラインによると、1人が複数の業種の要件を満たしていれば、同じ営業所でその業種の専任技術者を兼ねられます。実務経験で要件を満たす場合は、実務経験証明書(様式第9号)と確認資料を提出します。
この要件が設けられている理由は、工事の受注と契約が各営業所を通じて行われるからです。営業所レベルで技術力を担保することで、工事全体の品質と安全性を確保する仕組みになっています。
専任技術者がいないと建設業許可はどうなるか
専任技術者が不在になった場合、建設業法上は許可の取り消し対象となります。具体的なリスクは次のとおりです。
- 専任技術者が退職・死亡した日から2週間以内に変更届の提出が義務づけられる
- 後任の専任技術者を確保できない場合、当該業種の廃業届を提出しなければならない
- 廃業届を出さずに不在のまま営業を続けると、行政庁による許可取り消し処分の対象になる
- 許可が取り消されると500万円未満の軽微な工事しか請け負えなくなり、受注できる工事が大幅に制限される
- 経営事項審査(経審)の評点にも影響が生じ、公共工事の入札参加資格を失うリスクがある
専任技術者の退職は「いつ起きるかわからないリスク」です。後継となりうる技術者を社内で育成しておくことが、許可の継続的な維持には不可欠です。
建設業許可を取るための専任技術者の要件
建設業許可の取得には、営業所ごとに専任技術者を1名以上配置することが義務づけられています。必要な資格や経験は一般建設業と特定建設業で異なるため、自社が取得する区分を確認してから要件を照合してください。
一般建設業許可の専任技術者要件
一般建設業許可における専任技術者の要件は、次の3つのルートのいずれかを満たすことで認められます。
- 許可業種に対応する国家資格を保有している
- 指定学科を卒業し、かつ学歴に応じた実務経験年数を満たしている
- 許可業種の建設工事について10年以上の実務経験を有している
資格・学歴・実務経験のどれかひとつを満たせば認められるため、無資格でも実務経験が十分にある社員を専任技術者に登録できます。
特定建設業許可の専任技術者要件
特定建設業許可は下請業者への発注総額が一定額を超える場合に必要となり、専任技術者に求められる水準も一般建設業より高くなります。
| 比較項目 | 一般建設業 | 特定建設業 |
|---|---|---|
| 国家資格 | 業種に対応する1級・2級の施工管理技士、建築士、技術士など | 業種に対応する1級施工管理技士、一級建築士、技術士など |
| 学歴+実務経験 | 指定学科卒業後3年または5年の実務経験 | 左の要件+指導監督的な実務経験2年以上(指定建設業を除く) |
| 実務経験のみ | 10年以上 | 左の要件+指導監督的な実務経験2年以上(指定建設業を除く) |
| 指定建設業(土木・建築など7業種) | 資格または経験で可 | 1級の国家資格者、または国土交通大臣の特別認定を受けた者に限る |
特定建設業許可で実務経験を使う場合は、一般建設業の要件を満たしたうえで、発注者から直接請け負った請負代金4,500万円以上の工事について、2年以上の指導監督的な実務経験が必要です。指導監督的な実務経験とは、工事現場主任者や工事現場監督者のような立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
資格ルート:国家資格で専任技術者になる場合(資格一覧)
業種に対応する国家資格を保有している場合は、原則として実務経験の証明なしに専任技術者として登録できます。ただし、第二種電気工事士のように、資格の取得後に一定年数の実務経験を求められる資格もあります。業種ごとに対応する資格が定められており、主な資格は以下のとおりです。
- 1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士(第1〜6種)
- 1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士(土木)
- 1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士(建築・躯体・仕上げ)
- 1級電気工事施工管理技士・2級電気工事施工管理技士
- 1級管工事施工管理技士・2級管工事施工管理技士
- 1級造園施工管理技士・2級造園施工管理技士
- 一級建築士・二級建築士・木造建築士
- 第一種電気工事士・第二種電気工事士(第二種は免状交付後3年以上の実務経験が必要)
- 技術士(建設部門・農業部門・水産部門・森林部門など、業種に対応する部門)
なお、2級資格は一般建設業許可の専任技術者にはなれますが、それだけでは特定建設業許可の要件を満たしません。指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)の特定建設業許可では、1級施工管理技士・一級建築士・技術士などの1級の国家資格者か、国土交通大臣の特別認定を受けた者に限られます。それ以外の業種では、2級資格に2年以上の指導監督的な実務経験を加えることで、特定建設業の要件を満たせます。
学歴+実務経験ルート:指定学科の卒業で年数を短縮する方法
専任技術者になるための実務経験年数は、指定学科を卒業していると短縮されます。国土交通省の要件見直しにより、技術検定の合格者も指定学科の卒業者と同等に扱われます。短縮後の必要年数は以下のとおりです。
| 学歴・検定 | 必要な実務経験年数 |
|---|---|
| 大学・高等専門学校(指定学科卒業) | 卒業後3年以上 |
| 高等学校・中等教育学校(指定学科卒業) | 卒業後5年以上 |
| 専修学校(指定学科卒業) | 専門士・高度専門士は卒業後3年以上、それ以外は5年以上 |
| 技術検定1級の第一次検定または第二次検定に合格(対応する種目) | 合格後3年以上 |
| 技術検定2級の第一次検定または第二次検定に合格(対応する種目) | 合格後5年以上 |
| 上記以外 | 10年以上 |
技術検定の合格による短縮は、指定建設業と電気通信工事業には使えません。検定の種目と、同等とみなされる指定学科の対応は、土木施工管理・造園施工管理が土木工学、建築施工管理が建築学、電気工事施工管理が電気工学、管工事施工管理が機械工学です。たとえば機械器具設置工事業では、建築・電気工事・管工事の施工管理技術検定の第一次検定に合格すれば、合格後3年(1級)または5年(2級)の実務経験で要件を満たせます。
「指定学科」は建設業法施行規則第1条で定められており、建設業の種類ごとに対応する学科が異なります。土木工事業なら土木工学・都市工学・衛生工学・交通工学が代表例で、建築工事業なら建築学・都市工学が該当します。
卒業証明書で学科名を確認し、申請する許可業種の指定学科に該当するかを事前に照合してください。
実務経験のみルート:建設業許可の10年実務経験で認められる条件
資格も指定学科の学歴もない場合でも、専任技術者として認められる方法があります。許可を受けようとする業種の建設工事について、10年以上の実務経験があれば要件を満たせます。
実務経験の期間は、具体的に建設工事に携わった期間を積み上げて計算します。建設業許可事務ガイドラインは、経験期間が重複している場合は原則として二重に計算しないとしており、複数の業種を同時並行で経験していても、業種ごとに10年分が必要です。
証明には、実際に該当業種の建設工事に携わっていたことと、その期間に在籍していたことを裏付ける書類が必要です。関東地方整備局の手引きでは、証明者が許可を受けていた期間は建設業許可通知書の写し、許可のない期間は工事請負契約書または注文書・請書のセットの写しで経験の内容を確認し、在籍は厚生年金被保険者記録照会回答票の写しなどで確認します。
都道府県によって必要書類の範囲が異なるため、申請先の窓口に事前確認することを推奨します。
専任技術者の実務経験の証明方法と注意点
建設業許可の専任技術者として登録するには、保有資格だけでなく実務経験の証明が必要なケースがあります。証明の方法を正しく理解することで、書類準備の手戻りを防げます。
実務経験として認められる工事の種類
実務経験とは、許可を受けようとする業種に係る建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。建設業許可事務ガイドラインは、設計技術者として設計に従事した経験、現場監督技術者として監督に従事した経験、土工やその見習いに従事した経験も含まれるとしています。
一方、ただ単に建設工事の雑務だけを行っていた期間は実務経験に含まれません。電気工事や消防施設工事のうち、電気工事士や消防設備士などの免状がなければ従事できない工事は、免状の交付を受けた者として従事した経験に限って算入できます。
許可業種ごとに認められる工事の種類が異なるため、申請業種と経験業種が一致しているかを事前に確認してください。
実務経験の証明に必要な書類と準備の手順
建設業許可の専任技術者に実務経験を用いる場合、証明期間(通常10年)の工事実績を客観的な書類で示す必要があります。主な証明書類は以下のとおりです。
- 建設業許可通知書の写し(証明者が許可を受けていた期間の経験を証明する場合)
- 工事請負契約書、または注文書と請書のセットの写し(許可のない期間の経験を証明する場合)
- 厚生年金被保険者記録照会回答票の写し、または所属企業の雇用証明書の写し(その期間の在籍の証明)
上記は関東地方整備局(大臣許可)の手引きによるもので、同手引きは無許可営業や附帯工事での経験は認められないとしています。知事許可では確認資料の範囲が都道府県ごとに異なるため、申請先の手引きを確認してください。
まず「実務経験証明書(様式第9号)」を入手し、従事した工事の内容と期間を記入します。次に、記入した期間に対応する確認資料を証明期間分そろえます。
最後に、在籍期間を証明する雇用関係書類と合わせて提出します。書類の不備は受理されないため、窓口への事前相談を推奨します。
10年の実務経験が証明できない場合の対処法
実務経験10年分の書類が手元にない場合でも、学歴を活用することで必要な実務経験年数を短縮できます。建設業法では、指定学科を卒業した者には以下の特例が適用されます。
大学・短期大学・高等専門学校の指定学科卒業者は、卒業後3年以上の実務経験で専任技術者の要件を満たせます。高等学校・中等教育学校の指定学科卒業者は、卒業後5年以上の実務経験で認められます。
専修学校(専門学校)の指定学科卒業者は5年以上で、専門士・高度専門士の称号をもつ者は大学卒業者と同様に3年に短縮されます。指定学科を卒業していなくても、対応する種目の技術検定に合格していれば、1級は合格後3年、2級は合格後5年に短縮できます(指定建設業と電気通信工事業を除く)。
指定学科とは、土木工学・建築学・電気工学・機械工学など許可業種に関連する専門分野です。卒業証明書と成績証明書(指定学科であることの確認用)を合わせて準備してください。
学歴短縮が使えない場合は、社内の有資格者への変更か、資格取得を計画するのが現実的な対処法です。
専任性(常勤性)の要件と認められない事例
建設業許可の専任技術者は、当該営業所に「常勤」して「専ら」その職務に従事することが求められます。建設業許可事務ガイドラインは、テレワークによる勤務も常勤に含めたうえで、次のような者は原則として専任とはいえないとしています。
- 住所またはテレワークを行う場所が営業所から著しく遠距離にあり、常識上通勤不可能な者
- 他の営業所(他の建設業者の営業所を含む)で専任を要する者
- 建築士事務所を管理する建築士、専任の宅地建物取引士など、他の法令により特定の事務所で専任を要する者(建設業の営業所とその事務所が同じ場所にある場合を除く)
- 他に個人営業を行っている者、他の法人の常勤役員である者など、他の営業について専任に近い状態にある者
出向社員であっても、勤務状況、給与の支払状況、人事権の状況などから専任性が認められれば、専任技術者になれます。経営業務の管理責任者(常勤役員等)との兼務は、勤務場所が同じ営業所である場合に限って認められます。
常勤性の確認資料は許可行政庁が定めています。関東地方整備局の手引きでは、健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写しや、住民税特別徴収税額通知書の写しなどを提出します。形式だけの登録では、更新時や立入検査で不正と判断されるリスクがあります。
建設業許可の専任技術者は実態を伴った配置が前提です。要件の解釈が不明な場合は、申請前に都道府県窓口へ確認することをお勧めします。
専任技術者の変更・不在が生じたときの対応
建設業許可を維持するうえで、専任技術者(営業所技術者等)が欠けた状態は許可の取消リスクに直結します。退職・死亡などの事態が起きた際は、速やかに変更届を提出し、後任を選任することが必要です。
専任技術者が退職・死亡した場合の許可への影響
専任技術者が退職または死亡した場合、その日から建設業許可の要件を満たさない状態になります。後任が確保できなければ、行政庁から許可の取消処分を受ける可能性があります。
建設業法では変更が生じた日から2週間(14日)以内に変更届出書を提出する義務が課されています。ただしこの2週間はあくまで届出の期限であり、後任の選任は変更届の提出と並行して最優先で進める必要があります。
後任の専任技術者を選任するための手順
後任を選任する際は、以下の手順で進めます。
- 自社の従業員のなかから、許可業種に対応した国家資格の保有者、指定学科卒業や技術検定合格と実務経験の組み合わせを満たす者、10年以上の実務経験者を確認する
- 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写しなど、常勤性を証明できる書類を準備する
- 後任候補者が他社で専任技術者に登録されていないことを確認する
- 変更届出書(様式第22号の2)、営業所技術者等一覧表(別紙4)、営業所技術者等証明書(様式第8号)を作成し、資格や実務経験を証する書面を添える
- 許可を受けた行政庁へ2週間以内に提出する
様式と添付書類は、関東地方整備局の手引きによります。後任がいないまま営業所技術者等を削除する場合は、変更届出書と届出書(様式第22号の3)を2週間以内に提出します。
資格・実務経験の証明書類が揃わない場合は、行政書士等の専門家に相談しながら準備を進めることで提出期限内の対応が現実的になります。
変更届出書の提出期限と提出先
変更の種類によって提出期限が異なるため、下表で確認してください。
| 変更の内容 | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|
| 専任技術者の変更・追加(退職・新任) | 変更後2週間以内 | 許可行政庁(大臣許可:主たる営業所を管轄する地方整備局等、知事許可:各都道府県担当部局) |
| 専任技術者の削除(後任がいない場合) | 2週間以内 | 同上 |
| 専任技術者の氏名変更(婚姻等) | 変更後2週間以内 | 同上 |
| 決算終了後の事業年度報告 | 事業年度終了後4か月以内 | 同上 |
届出をしない場合は、建設業法第50条により6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。関東地方整備局の手引きは、期限内に提出されない場合、提出できない理由と再発防止策について書面での報告を求める場合があるとしています。退職が事前に分かっている場合は、退職日までに後任を決め、変更後すぐに届け出られるよう書類を準備しておきます。
令和6年改正で変わった現場専任規制の合理化ポイント
令和6年(2024年)12月13日に改正建設業法が施行され、主任技術者・監理技術者の現場専任規制が見直されました。合理化の主なポイントは以下のとおりです。
- 「専任特例1号」の新設:専任が必要な工事(請負代金4,500万円以上、建築一式工事は9,000万円以上)であっても、下表の要件をすべて満たせば、主任技術者・監理技術者が2現場まで兼務できるようになりました
- 営業所技術者等による現場の兼務:営業所技術者等が、所属する営業所で請負契約を締結した専任工事1現場に限り、主任技術者(特定営業所技術者は監理技術者も可)を兼ねられるようになりました(建設業法第26条の5)。専任特例1号と同様の要件を満たす必要があります
- 「専任技術者」の名称変更:従来の「専任技術者」は「営業所技術者等」(営業所技術者・特定営業所技術者)に改称されました。役割や要件は変わりません
専任特例1号の要件は次のとおりです(国土交通省の資料と監理技術者制度運用マニュアル)。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 請負金額 | 各工事が1億円未満(建築一式工事は2億円未満) |
| 兼任する現場の数 | 2現場以下 |
| 工事現場間の距離 | 1日の勤務時間内に巡回でき、移動時間がおおむね2時間以内 |
| 下請次数 | 3次まで |
| 連絡員の配置 | 監理技術者等との連絡などを行う者を各工事に配置(土木一式・建築一式工事では、その工事の種類について1年以上の実務経験がある者) |
| 施工体制の確認 | 情報通信技術により、現場作業員の入退場などを遠隔から確認できる措置 |
| 人員の配置を示す計画書 | 作成して工事現場ごとに備え置き、営業所で保存 |
| 現場状況の確認 | 映像と音声を送受信できる情報通信機器を設置(スマートフォンやタブレット端末でも可) |
監理技術者補佐を現場ごとに専任で置いて監理技術者が2現場を兼務する制度(専任特例2号)は、この改正の前からある別の特例で、専任特例1号と併用することはできません。
この改正は技術者不足に悩む中小建設業者にとって大きな緩和措置です。自社の工事規模と要件を照合し、活用を検討してください。
まとめ:建設業許可の専任技術者は要件確認と後継リスク対策が鍵
建設業許可の専任技術者は、営業所に常勤する形で配置が義務付けられた重要な要件です。一般建設業では国家資格・学歴と実務経験・10年実務経験の3ルートで要件を満たせるかを確認し、特定建設業では一般より厳格な要件が課されます。また専任技術者が退職や死亡によって不在となった場合は2週間以内に変更届を提出する必要があり、後任が決まらないと許可の取り消しにもつながるため、後継者の確保が欠かせません。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 専任技術者は営業所ごとの常勤配置が義務。主任技術者・監理技術者とは役割が異なる
- 一般建設業は3ルート(国家資格・学歴と実務経験・10年実務経験のみ)、特定建設業はより厳格な要件が必要
- 退職・不在時は2週間以内に変更届が必要。後継者の事前確保が許可維持の鍵
実務経験証明書の記入例と確認資料チェックリスト(PDF)は、以下から無料でダウンロードできます。新着記事はメルマガでお知らせしています。
建設業許可 専任技術者に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
Construction DX 編集部は、建設DX・建設テック・業界動向に関するニュースや解説記事を制作する編集チームです。最新の技術・市場・制度・導入事例をわかりやすく整理し、建設業界のDX推進に役立つ情報を中立的な視点で発信しています。
監修者
リサーチチーム
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